【ソウル聯合ニュース】韓国西方の黄海で違法操業を繰り返し、取り締まりにあたった韓国の警備艇を沈没させるなどの横暴ぶりを見せている中国違法漁船に対し、韓国政府が取り締まり強化策を打ち出した。

 政府は11日、暴力で取り締まりに抵抗する中国漁船については必要に応じて艦砲で船体を攻撃したり、警備艦で体当たりしたりと強硬な対応を取ることを決めた。当面は盛漁期に機動戦団を投入するなどし、中長期的には警備艦を増やしていく方針だ。また、違法操業を行った中国漁船が逃走すれば、公海上まで追いかけて拿捕(だほ)することにした。

 韓国政府の対策は、韓国の海洋主権を守り、漁業者と漁業資源を保護するため当然のことだ。中国漁船は、他国の海で水産物を略奪し、鉄パイプやおのを振り回して抵抗するだけでは飽き足らず、今月7日には黄海上で韓国当局の警備艇に体当たりし、沈没させて逃走する事件を起こした。そのような船はもはや民間の漁船ではなく「海賊」に他ならない。

 韓国の海洋警備法は、違法船舶の取り締まりで相手が凶器などで攻撃してくる場合は艦砲などを使用できると定めている。7日の事件を受けて「韓国の公権力が踏みにじられた」などと世論の批判が高まったことから、韓国政府は違法漁船の取り締まりを今後は法が定める通りに行うと宣言したのだ。もっと前から政府が取り締まりへの強い意志を行動で示していたなら、中国漁船の違法行為を相当抑えられていたはずだ。

 海洋警備当局の取り締まり要員と装備も画期的に増やす必要がある。昨年、韓国の海域に侵入した中国漁船は10万隻を超えるが、このうち当局が拿捕したのはわずか45隻だ。中国漁船にとって韓国の海洋警備当局が「張子の虎」だと言われても仕方がない。

 いくら中国漁船が集団で操業し、暴力を振るうとはいえ、警備艇が少ない人数と貧相な装備のせいで通常の取り締まりができないのなら、公権力の行使を放棄したも同然だ。取り締まりのための黄海5島警備団の新設を検討してほしい。

 海洋警備当局の「卓上行政」も問題だ。海洋警備安全本部の警務官以上の幹部は14人だが、7人が艦艇勤務1カ月未満で、うち5人は艦艇勤務の経験がない。現場経験の少ない幹部が、どうやって海上で起きる事件・事故に効率的に対処できるというのか。旅客船「セウォル号」沈没事故の救助活動をめぐり批判を浴びた海洋警察庁が解体された後、海洋警備安全本部を吸収した国民安全処の状況対処能力にも疑問の声が出ている。

 韓国外交部は7日の事件から4日後、邱国洪・駐韓中国大使を呼んで抗議し、加害船舶の迅速な検挙と処罰を求めた。だが、中国政府が積極的に動くかどうかは不明だ。

 中国外務省の耿爽副報道局長は10日の会見で「韓国が両国関係や地域の安定という大局的な側面から冷静かつ理性的に問題を処理することを望む」と述べた。だが、中国政府は韓国に「冷静で理性的」な対応を求める前に、海賊のようなことをして逃走した漁船を検挙し、関係者を厳しく罰するべきだ。