【ソウル聯合ニュース】2007年の国連北朝鮮人権決議案の採決前、韓国の当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が北朝鮮に意見を求めた後に棄権したと宋旻淳(ソン・ミンスン)元外交通商部長官(68)が回顧録で明らかにしたことについて、韓国政府の消息筋は17日、北朝鮮人権決議案に関し、韓国と北朝鮮が板門店連絡事務所などの対話ルートを通じ通知文をやり取りした記録はないと伝えた。

 宋氏は今月出版した回顧録で、07年11月18日に盧大統領が主宰した会議で、北朝鮮人権決議案への賛成を求める自身と棄権を支持する出席者らの間で論争が激化し、金万福(キム・マンボク)国家情報院長が北朝鮮に直接意見を求めることを提案、盧大統領の秘書室長だった文在寅(ムン・ジェイン)氏(最大野党「共に民主党」前代表)がこの提案を受け入れ、南北ルートを使って北朝鮮の立場を確認するとの結論を出したと主張。2日後の20日、青瓦台(大統領府)の安保室長から北朝鮮側が「北南関係の発展に危うい事態を招くため、採決に責任のある姿勢を取るよう期待する」との立場を示したとの報告を受けたとした。

 これに対し、盧大統領の演説企画秘書官だった「共に民主党」の金慶洙(キム・ギョンス)国会議員は、事前に北朝鮮の意見を聞いたわけではなく、07年11月16日の盧大統領主宰の会議で棄権を決定した後、北朝鮮側に通知したとして、宋氏の主張を否定した。

 宋氏の回顧録での主張をめぐっては、与党セヌリ党の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)代表が「北と内通した」と非難するなど、攻勢を強めている。

 当時、公式の南北の対話窓口として板門店連絡事務所や黄海・東海の軍通信線があった。南北接触は主に板門店ルートを通じて行われ、軍通信線は軍当局が接触する際に使われた。

 北朝鮮人権決議案の採決前、北朝鮮に意見を求めたとすると、板門店ルートを使ったはずだが、記録は残っていないという。

 一方、非公式の対話窓口としては南北直通電話(ホットライン)があり、韓国側では情報機関の国家情報院にあったとされる。内密に北朝鮮に意見を聞いた場合、この窓口を使った可能性もある。