【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題をめぐる2015年の韓日合意に対し、韓国次期大統領選の有力候補のほとんどが再協議が必要との立場を取っていることが分かった。両国は同年12月の合意で「最終的かつ不可逆的な解決」であることを確認したが、大統領が誰であれ、次期政権では再協議問題が韓日外交の争点になる公算が大きくなった。

 

 注目すべきは与党側も再協議に傾いているという点だ。最大野党「共に民主党」は合意当初から受け入れられないとの立場を表明してきたが、与党セヌリ党は「相当進展した合意案」「残念な部分はあるが次善の策」として受け入れは不可避との姿勢だった。

 次期大統領選候補に関する最近の世論調査で支持率トップの共に民主党の文在寅(ムン・ジェイン)前代表は11日、中部・忠清南道天安市にある国立墓地「国立望郷の丘」を訪れた。 慰安婦被害者の墓に参った文氏は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の国政介入事件の中で行われた合意は日本から公式の謝罪がなく10億円の資金を受け取っただけと断じた上で「到底受け入れられず、無効だ。合意をやり直さなければならない」と主張した。

 また、釜山の日本総領事館前に旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する少女像が設置されたことへの対抗措置として、日本が長嶺安政・駐韓大使を一時帰国させたことに関しても「韓国政府が少女像問題についてはっきりと明かせないことがあるのではないかと疑わしく思っている」と述べた。

 次期大統領選の世論調査の支持率で文氏に迫る潘基文(バン・ギムン)前国連事務総長も再協議を念頭に置いているとの観測が出ている。

 潘氏は16年1月1日、朴大統領との通話で「朴大統領がビジョンを持って英断を下したことを歴史が高く評価するだろう」と伝え、合意支持派とみられていた。

 しかし今月12日に韓国に帰国した際の記者会見で、朴大統領との通話について「(今回に限らず)両国間の合意があった場合には私はいつも協議を通じた合意を歓迎し、労をねぎらってきた」と述べ、「誤解があるようだ」と含みを持たせた。

 その上で「究極かつ完璧な合意というのは元慰安婦の方々の恨(ハン)を解消するレベルのものでなければならない」と話し、「過去の直視を基本に、未来志向的な方向にこの問題を発展させ、合意されなければならない」と強調した。

 韓国メディアとのインタビューでは「もし10億円が少女像の撤去と関連したものならばそれは間違っており、お金は返すべきだ」と述べた。

 文氏以外に野党の大統領選候補に挙げられる有力政治家も再協議が必要との立場だ。

 第2野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)前代表はこのほど「慰安婦合意は大統領の独断と政府が引き起こした外交上の惨事であり、被害者の意思を無視して強行した」とし、破棄するのは当然で政権交代によって問題を必ず解決したいと発言している。

 共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)城南市長も聯合ニュースとのインタビューで合意を「公式に協定を結んだのではなく、会見で共同の立場を発表したもの」と述べ、「インチキに近いものであり、全面的に再検討するのが正しい」と主張した。

 同党の朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は自身のフェイスブックに「政府は屈辱的な韓日合意を無効にし、被害者を欺瞞(ぎまん)するうわべだけの「和解・癒やし財団」を解体して、すべてを原点からやり直さなければならない」と強調した。

 与党セヌリ党で朴大統領と距離を置く非主流派の「非朴派」だった国会議員でつくる新党「正しい政党」の議員の間でも再協議論が優勢だ。

 朴大統領を支えてきたセヌリ党でも再協議は避けられないとの認識が広がりつつある。京畿道知事などを務めた同党の金文洙(キム・ムンス)非常対策委員は「合意結果がさまざまな側面で国民の間に問題を引き起こした」と分析した上で「国際的な外交関係において相当な信頼問題になるだろうが、国民の理解と歴史認識に照らして再協議するしかない」と述べた。