顧客の心に寄り添う「もしもし」「さすが」と喜ばれる電話応対を

電話応対はお客様との大事な接点

社内での電話応対研修の様子。一人ひとりがお客様の立場を意識し、応対品質向上に取り組んでいる。

会社にかかってきた電話を受けて、こういう言葉を口にしたことはありませんか? あるいは、自分がどこかの会社に電話をかけて、こういう言葉を言われたことは。「ありがとうございます」や「お世話になっております」の言葉に、本当に意味がこもっているか、実感したことはありますか? それとも単にマニュアルだから、あるいは決まり文句だから、言っているだけ、言われているだけの言葉になっていませんか?

電話応対はどの企業にとっても、お客様との大事な接点。そこで言う「ありがとうございます」に心がこもっているかどうかで、企業の印象は大きく変わります。まして、簡単な疑問ならホームページなどを見れば手軽に分かるようになった最近では、わざわざ電話をかけてくるお客様からの問い合わせは重要性を増しています。電話をかけてきた人が「ちゃんと対応してもらった。気持ちのいい会社だなあ」と思うか、「なんだあの会社は!」と立腹するか、電話応対はその瀬戸際とも言えるのです。

社員同士のコミュニケーションも改善

ではどういう電話対応が良いのでしょうか。どんなにマニュアルを整えても、それを機械的に読み上げるだけでは、むしろ相手をイライラさせかねません。機械的な「ありがとうございます」ではダメなのです。相手が話しやすいように聞き、相手が分かりやすいように伝え、相手の立場に合わせて、自分で考えながら、臨機応変に対応する。そういう電話応対をする会社なら、「電話してよかった」と思ってもらえるかもしれない。そのための方法を教えてくれるのが、公益財団法人・日本電信電話ユーザ協会の「電話応対技能検定(愛称・もしもし検定)」です。

「もしもし検定」の授業では、印象の良い話し方、敬語の使い方、聞きやすい発声や発音といった技術のほかに、コミュニケーション能力そのものの向上につながるプログラムが組まれています。ここでいうコミュニケーション能力とはつまり、電話をかけてくる人の立場になって傾聴し、その人が話す内容を受け止めた上で、自分の会社の立場もきちんと相手に伝えられるという、高度でしなやかな能力のことです。

「もしもし検定」は、電話応対コンクールなどで50年の実績をもつ日本電信電話ユーザ協会が、心理学や法律や日本語の専門家たちと一緒に作り上げたものです。2009年の開始以来すでに多くの企業や団体が導入し、6000人以上が合格。検定受検を通じて社員の電話応対技術が向上すると、会社に対する顧客の満足度が増すばかりではなく、社員同士のコミュニケーションも良くなり、職場の雰囲気が改善したというケースが相次いでいます。

顧客との関係がより良くなり、社内の関係も良くなる。「もしもし検定」は会社を成長させる大きなきっかけになる取り組みです。

家電大手三社が「もしもし検定」を導入

パナソニック株式会社 
人事・総務本部 総務グループ 企画チーム
主事 堤 好美さん
「もしもし検定」を導入したのは、2010年でした。CS(顧客満足)向上のため、全社で2004年に開始した「さわやかマナープロジェクト」の一環として現在も実施しています。
「もしもし検定」では、「マニュアル通りに」教えるのではなくひとつひとつの言葉をなぜ使うのか、お客様の立場や気持ちはどうか等を考えながら行動するよう指導されます。接するお客様一人ひとりの立場や思い、心の部分を考えて応対する。その事を「知っている」だけでなく「できる」まで教育するところが優れています。
コミュニケーションスキルについては、「アサーション(適切な自己表現)」と「メディエーション(調停)」も学びます。電話応対では、お客様の気持ちを尊重しながらも、会社の立場を的確に伝え、お客様と会社の間に立って、より良い関係性を導き出さなくてはなりません。これは、マニュアルをただ読むだけの表面的な応対では到達し難い領域です。
「もしもし検定」で身に付けたスキルは、お客様対応だけでなく、社内コミュニケーションの良化、向上にも役立っていると思います。「もしもし検定」は、社会人としての基本的マナーから高度なコミュニケーションスキルまで身につき、実際の電話応対業務にも即しています。皆さんにもお勧めできる、素晴らしいものです。
シャープ株式会社
CS・環境推進本部 お客様相談センター
橋本 美詠子さん
「電話してよかった」「次もシャープ製品を買おう」、そうした安心と満足をお客様にお届けしたいという願いから、お客様相談窓口のシャープ(株)お客様相談センターと、アフターサービスを担当するシャープエンジニアリング(株)を中心に「もしもし検定」を導入しました。
お客様宅での訪問修理で接客態度が大事なのはもちろんですし、電話で製品の使い方や選び方を相談された時には、お客様が例えばどのような環境でお使いになるか、どのような気持ちで電話をしてこられたのか、お客様の立場に立つことで適切なお答えが変わってきます。とてもマニュアルを読み上げれば対応できるたぐいのものではありません。
「もしもし検定」はお客様応対の総合的な知識を習得できる点とスキルアップのための具体的な目標になるところが、私たちのニーズにぴったりでした。筆記試験と実技試験で構成されているので、「知識(わかる)」だけでなく、「実践力(できる)」を伸ばせる点も魅力的でした。3級からスタートして上を目指せる資格制度でもあるので、受ける側の満足度や向上心も上がります。
2009年から開始してすでに360人以上が3級、60人近くが2級の資格を取得しました。それからというもの、お客様応対で「親切・丁寧にしてもらってありがとうというお客様の声が増えました。「いつもの営業所に電話したら、応対がすごく良くなっていたので、間違ったかと思って切っちゃった」というお客様の話もあるくらいです。
「もしもし検定」は、15時間の研修受講が必須なので、全国から集まって一緒に研修を受けます。それがきっかけになり、社内の人間同士の結びつきも強くなりました。また、会社の代表としてお客様に接するという意識を持つことで、責任感と向上心が生まれ、それがお客様満足につながっているのだと思います。
日立コンシューマ・マーケティング株式会社
サービス本部 サービス企画部
尾形 順一さん
日立家電品をご購入頂いたお客様にアフターサービスを通して安心を提供するのが、われわれサービス部門の重要な役割です。
家電品のアフターサービスに対するお客様の要求は年々高まっており、サービスマンには修理技術はもとより接客対応力も求められています。それはコールセンターではもちろん同じことで、高い電話応対技術が必要となります。
弊社では以前から外部講師を招いてマナー講習会を開いておりましたが、外部講師の教える内容はどうしても一般的な内容にならざるを得ないので、現場とのギャップが出てしまいます。そこで自社内で自前の講師を育成してしまおうと思い立ち、検討の結果「もしもし検定」の導入を決めました。「もしもし検定」では社内の人間が指導者級をとれば、その人が今度は社員を教えられるよう仕組みが用意してあるからです。
2011年6月に指導者級取得に着手し、翌年夏には2名が指導者級を取得しました。そこで、その2名が中心となって全国の支社にマナー推進担当者を育成し、その人たちが社内で指導できるような仕組み作りを進めています。その第一歩として各マナー推進担当者にも「もしもし検定」3級を取得させました。
検定を受ける前は尻込みしていた人もいましたが、今ではもっと学習を続けたい、上位の級も受けてみたいという声が多く聞かれるようになってきました。そういった人たちを会社としてもバックアップしていきながら、より良いアフターサービスをお客様に提供できるようにしていきたいと考えています。

公益財団法人日本電信電話ユーザ協会 もしもし検定事務局 吉川理恵子さん

シャープ(株)での研修風景、2010年3月

電話応対が上手な人は、場や人に合わせて、自分で考え行動できる人です。電話応対で大事なのは、相手に合わせて共感しながら、適切な情報を伝えること。それが出来る人を育てるのが、もしもし検定です。

「もしもし検定」では、日本語の使い方やマナーの知識のほか、より良く聴く技術、分かりやすく伝える技術、個人情報保護法の知識などが具体的に身につきます。新入社員から管理職まで、誰にでも役に立つ内容です。

電話応対やCS対応の指導を社内だけでまかなっていた会社は、「もしもし検定」を通じて、より客観的な第三者の評価を受けられます。検定でスキルアップした社員が他の社員を指導できるようにする仕組みが、用意してあります。

電話を切った後にお客様が「今の人と話して良かったなあ」と思ってくださるようなコミュニケーションの技術が、より多くの人に広まって欲しいと願っています。

日本電信電話ユーザー協会の電話応対教育

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