東電の救済に苦闘する日本 英紙

日本は原発救済に苦闘する フィナンシャル・タイムズ社説

(フィナンシャル・タイムズ) 2011年06月28日 10:48

(フィナンシャル・タイムズ 2011年6月26日初出 翻訳gooニュース) 

日本政府は、東京電力の救済策成立に苦労している。東電は、絶望的な状態にある福島第一原発の持ち主だ。しかし救済策成立に仮に成功したとしても、それは肉を切らせて骨を断つくらいの、手負いの勝利となるだろう。東電を救済すれば、そもそも日本の原子力産業がこれほど機能不全になったことなかれ主義の道を、また一歩進むことになるからだ。

原子炉のメルトダウン(炉心溶融)に影響を受けた人たちに対する東電の賠償金がいくらになるのか、推測しにくい。総額4兆〜5兆円だろうという試算も、荒唐無稽とは思えない。もしその金額が正しければ東電は破産するかもしれないし、東電が破産すれば債権者や事故被害者にしかるべき支払いができなくなる。最終的な賠償額がもっと少なかったとしても、金額が不明だというだけで、東電の支払い能力に対する信用に影が落ちた。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、東電社債をジャンク級(投機的格付け)に引き下げている。

日本政府は、東電が支払い不能に陥る事態を避けようとしている。救済法案は、賠償金の資金を出すのは電力会社だが、政府がこれを保証するという賠償の仕組みを作り出そうというものだ。この仕組みでは、社債保有者がヘアカット(債務減免)で賠償を一部負担させられないよう、政府は保証することになる。

東電に賠償責任を負わせると決断した以上、社債保有者を保護するのは道義的に問題がある。東電の株主は事実上すべての投資資産を失い、債権者は債務帳消しを求められているのだから。東電には5兆円規模の社債発行残高と、4兆円規模の借り入れがある。この債務を再編すれば、賠償金の相当分をまかなうことができるし、そうすれば納税者の負担を和らげることができる。債務再編の中には、発送電の分離を容易にするため、東電の送電網売却を盛り込むべきだ。

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