自転車とクルマは、道路を利用するうえでなかなか相容れることができない存在かもしれません。お互いが気持ちよく道路を走行するために、双方の隔たりを埋めることはできないものなのでしょうか?
自転車関連の交通事故は、約76%がクルマ相手ここ数年、自転車用ヘルメットの装着が全年齢で努力義務化や、道路交通法の改正などがあり、メディアで頻繁に注意喚起がされるようになったので、自転車の交通ルールが多くの人に知られるようになってきました。
クルマと自転車は、同じ交通社会の一員しかしながら、交通事故全体のなかで自転車が関わる事故比率は増加傾向にあり、警察庁が公表しているデータによると、2023年では全交通事故の23.5%は自転車が関与しているという残念な結果となっています。そして自転車が関連する死亡・重傷事故の相手側としては、約76%でクルマが最も多くなっています。
自転車とクルマは、道路を利用するうえでなかなか相容れることができない部分があります。双方を利用する人でも、自転車に乗っているときは「クルマって怖いな」と感じ、クルマを運転しているときは「自転車って邪魔だな」と感じてしまうこともあるでしょう。
はたして、双方の隔たりを埋めることはできないものなのでしょうか?
クルマを運転中に車道を走っている自転車を見ると、ふらふら走っているように見えることがあります。生身の身体が剥きだし状態であることから、思わず不安な気持ちになるのではないでしょうか。
そんな気持ちを抱えながら自転車の背後を走行していて、急に自転車が車道側に膨らんできた時には、思わずクラクションを鳴らしたくなるのも人情というものです。
しかしながら、自転車利用者が悪意をもってクルマの走行を妨害するのは論外ですが、自転車は軽車両であり、基本的には車道の左側を走らなければいけないというルールがあります。
近年では路面に青や緑で塗られた自転車通行帯も整備されているので、多くの自転車ユーザーは通行帯や路肩などを走りますが、その上に駐停車しているクルマは多く、また歩道から車道にはみ出てくる歩行者など、障害物を避けるためにやむを得ず車道側に膨らまざるを得ないことは多々あります。
自転車利用者が「何のための自転車通行帯だよ」と言いたくなる気持ちも理解できます。
もちろん、自転車側も車道に膨らむ際には後方を走るクルマに何らかの合図を出すことは必要ですが、クルマ側もやむを得ない状況があることを理解して、「かもしれない運転」を心がけたいところです。
交差点でのやり取りも、双方の意見が食い違う場面です。自転車で車道の左側を走っていると、左折したいクルマが自転車を追い越し、左側に幅寄せして自転車の進行を妨げるという状況に出くわすことがあるでしょう。
自転車側にしてみれば、右側をグンと追い抜かれて怖い思いをしながら、さらに行く手を塞がれると「なんだよ!」と思わず頭に血が昇ってしまうシチュエーションです。
しかしながら、クルマが悪意で自転車の行く手を塞ぐのは論外ですが、クルマとしては左折の際に、自転車を巻き込まないようあらかじめ左に寄って自転車に注意を促しているのです。
「ウインカーで知らせればいいじゃないか」という意見もあるかもしれませんが、自転車がウインカーに気づいてか気づかずか、隙間があるとそのまま直進してくることがあります。事前にクルマを左側に寄せて、危険を知らせるという配慮なのです。
ほかにも、横断歩道にまつわるアクシデントや「すり抜け」走行など、お互いの言い分が食い違う状況は多々あります。
では、お互いが道路を気持ちよく走行するにはどうすればよいのか……そこはやはり、お互いの立場や状況を想像・理解して、双方が配慮し合うという事に尽きるのかもしれません。