サスペンションをリプレイスする意味や効果とは? SHOWA製サスペンションで比較してみた

バイクのサスペンションは、ノーマルからリプレイスメントサスペンションに交換するとどのような効果があるのでしょうか。SHOWA製サスペンションで実際に試してみました。

サスペンションをリプレイスする意味や効果はどこにある?

 ノーマルサスペンションとリプレイスメントサスペンションの一番の違いは、制作や開発にかけられているコストにあると言っていいでしょう。ノーマルは様々な制約があり、サスペンションに一定以上のコストをかけることができないのです。

SHOWA製サスペンションのラインナップに、新たにカワサキ「Z900」用が加わりました。「SHOWA BFF for Z900」は伸び側&圧縮の減衰力調整とプリロード調整が可能です。ボトム部分はアルミ鍛造

 とくにスーパースポーツ系ほど運動性やスポーツ性、コーナリング性能が重視されていないネイキッドモデルはその傾向が強く、だからこそコストのかかった高性能サスペンションにリプレイスすると、その効果を最大限に感じられることが多いのです。

 では、サスペンションをリプレイスするとどんな効果が体感できるのでしょうか?

・カッコ良くなる
・乗り心地が良くなる
・スポーツ性が高くなる
・ハンドリングが軽くなる
・自分が上手くなったような気持ちになれる
・路面のギャップなどが気にならなくなる
・ライダーの操作がバイクに伝わりやすくなる

 ざっと列挙してみましたが、走りにおける全てのシーンに影響するのが、サスペンションのリプレイスの効果なのです。しかもアジャスト機能が付いているものであれば、愛車をさらに自分の用途や好みに寄せることができます。

 今回試乗したカワサキ「Z900RS」用のSHOWA製リプレイスメントサスペンションは3年ほど前から発売されており、「Z900」用は新たにラインナップに加わった新製品です。

 価格(消費税10%込み)は、「Z900」用の「BFF(バランス・フリー・フロントフォーク)」が25万3000円、「BFRC-lite(バランス・フリー・リア・クッション・ライト)」が19万8000円。「Z900RS」用の「BFF」は33万円、「BFRC」は19万8000円です。

 僕(筆者:小川勤)が2台の試乗を終えてすぐに感じたのは、コストパフォーマンスの高さとリプレイス効果のわかりやすさです。だからこそ多くの「Z900」&「Z900RS」ユーザーに勧めたいと思ったのです。

スポーツが楽しくなる「Z900+SHOWAサスペンション」

 この日は、栃木県にあるSHOWAのテストコース『塩谷プルービングラウンド』での試乗でした。直線路とワインディング路を走行します。直線路は、往路が平坦な路面で復路は凹凸のある路面。ワインディング路は、日本とはアスファルトなどが異なる欧米の路面が用意され、所々にギャップがある、いかにもテストコースといったシチュエーションでした。

前後サスペンションをSHOWA製にリプレイスしたカワサキ「Z900」で、ノーマルとの違いを体感する筆者(小川勤)

 まずは前後SHOWA製サスペンションが装着された「Z900」に跨ります。フロントはBFF、リアにはBFRC-liteが装着されています。

 跨ると、とくにフロントの減衰力が強いことが伝わってきます。伸び側&圧縮側ともにかなり効いてます。「こ、これは……。Z900なのにレース方向に振っているのか?」と、頭の中に「?」が並びます。しかも、路面は前日の雨が残りウエットです。正直、少し不安になりました。

 しかし、走り出すと不思議と重さや硬さはありません。直進安定性も高く、レーンチェンジも軽快。直線路の奥にある旋回路で様々なコーナリングを仮定した動きを試してみても、前輪の舵の入り方が素直です。ノーマルよりも直立付近から向きを変える際のレスポンスがよく、その動きに身体を追従させる荷重移動も簡単。しかも、ライダーが荷重を増やすと車体はさらに応え、どこまでも旋回力を高めていくような印象です。

 路面コンディションが良くなくても、タイヤのグリップ感はわかりやすく、安心感があります。復路の凹凸路面では、ライダーの上下動が少なく、凹凸をしっかりいなしてくれるのです。最後に大きめの穴がありそこに前輪が落ちるのですが、その際もびっくりするようなショックはありません。

 この直後にノーマルに乗って同じルートを通ると、タイヤのグリップ感が希薄で不安が募ります。旋回路では初期の向きの変わり方が甘く、旋回性も弱め。また凹凸路ではバタバタと落ち着きがなく、気持ち良くありません。最後の穴ではフロントフォークに底付き感を覚えるほどでした。また単純に乗り心地に大きな差があり、SHOWA製サスペンションを知ってしまうと、ノーマルに戻るのはなかなか難しいという感じです。

 次に前後SHOWA製サスペンションが装着された「Z900」でワインディング路へ。ここでもしっとりと路面を追従するしなやかさは健在。路面コンディションは決して良くないのですが、ライダーの操作にきちんと応えてくれるレスポンスの良さを武器に、良いリズムで難しいコーナーの連続を駆け抜けることができたのです。

バイクにずっと乗っていたくなる快適さ「Z900RS+SHOWAサスペンション」

 Z900RS用のSHOWA製サスペンションは3年ほど前から発売されていて、すでに多くのキットを販売している実績のあるアイテムです。フロントフォークのボトム部分がアルミ削り出しで、よりカスタム感が強くなっています。

前後サスペンションをSHOWA製にリプレイスしたカワサキ「Z900RS」で、ノーマルとの違いを体感する筆者(小川勤)

 基本的な構造は「Z900」用と同様ですが、乗り味は別物でした。乗り心地や快適性の向上が主体となってセットされているものの、実はペースを上げても頼りになる懐の深さが印象的なキャラクターだったのです。

 まずはSHOWA製サスペンション装着車で直線路を走り出すと、やはり乗り心地の良さと安定感が際立っています。直進安定性も高く、ライダーの上下動の少なさも感じられます。

 サスペンションのリプレイスというと、どうしてもスポーツ派のイメージが強くなりますが、この味付けはツーリング派の疲労軽減や快適性の向上にも役立ってくれそうです。「Z900」ほどわかりやすい軽快性はありませんが、ライダーの思い通りに曲がってくれる感覚があり、とにかく素直。直後にノーマルに乗り換えて同じコースを走ってみますが、前後の動きに統一感がなく、ちょっとチグハグしているように感じてしまうほどでした。

 ワインディング路でも印象は同じです。ノーマルで走り出しますが、大きなギャップに乗ると少しの間ピッチングが収まらず、なかなか良いリズムがつかめません。一度リズムを崩すと挽回するのにも時間がかかるイメージです。

 直後にSHOWA製サスペンション装着車に乗り換えます。ギャップを通過しても直後にバイクは安定。ラインを外すことなく、リズムを崩すことなく次のカーブに備えることができるのです。ノーマルはギャップを避けて走っていましたが、SHOWA製サスペンション装着車はギャップを避ける必要を感じないほど。サスペンションの路面追従性と吸収性の高さに頼って走れるのです。そしてバンク角が足りない状況になり、すぐにステップが接地してしまいます。

 サスペンションのカスタムは、スポーツ派、ベテラン向けだと思っている人は多いかもしれません。もちろんスポーツ派やベテランにも効果がありますが、キャリアの浅いライダーにこそオススメします。まるで自分が上手くなったように、軽快かつ思い通りに操れる感覚を味わうことができるからです。

 良いハンドリングとは何か? それは、自分の思い通りにバイクを軽々と操れることです。もちろん、SHOWA製サスペンションを装着してから「Z900」をもっと快適に仕上げることも可能ですし、「Z900RS」をスポーティにすることも可能です。

 SHOWA製サスペンションには、オーナーの「こうしたい」を叶える近道があるのです。

ライフの主要なニュース

ライフのニュース一覧へ

関連ニュース

ニューストップへ