バイクが無い人には貸せばいい! バイクファンを増やす! 不屈のレーサー青木拓麿が「個人間バイクシェア」アプリ開発

テスト走行中の事故で半身不随に陥りながら、22年後にライダー復帰を果たした青木拓麿さんが、自らの体験とバイクへの思いを注ぎ込んだアプリをローンチしました。バイク体験をより身近にすることに直結する新しいビジネスで、バイクファンを誰よりも増やそうと走り回っています。

「ツーリング行こうよ! バイク貸してやるよ」のノリでファン拡大

 テスト走行中の事故によるハンディを克服して22年かけて4輪レースに復帰、2輪ではレンタバイク耐久レース『Let’sレン耐』をプロデュースするなど、活躍の幅をボーダーレスに広げ続ける青木拓麿さんが、今度はアプリ開発を手がけ、2024年10月からスマホでもダウンロードできるようになりました。

バイクシェアアプリ『Let'sラGO』のトップ画面。『Let'sレン耐』のスケジュールもわかる

 その名も『Let’sラGO』です。「バイクが無いからなあ……」と思いながら迷っている“エア”ライダーを取り込み、日本のバイクファン拡大を目指します。そこにかける情熱と、アプリが果たす目標について青木さんに伺いました。

――アプリ開発とは異色です。一言でどんなアプリなのでしょうか?

「いろんな人にバイクを知ってもらいたい。バイクユーザーとバイクショップの双方が使える“個人間バイクシェア”アプリです。今乗っている人には、その手助けができます」

 バイクシェアとは、自分の所有するバイクを期間を決めて、希望者に貸し出す行為のことです。借り手は借りている期間に応じて、維持費分のコストを謝礼として支払います。

 バイクが無い人にとってはレンタルバイクより手が届きやすく、貸し手は眠っていたバイクに脚光を当てることができます。

『Let’sラGO』はバイクシェアのツールとして貸し手と借り手をマッチングさせる上に、その後のツーリングが楽しくなる機能が盛り込まれています。

――開発のきっかけは何だったのでしょうか?

「僕らの頃は初めてバイクを乗り始めた時に、バイクを持ってる人と持っていない人がいて、持っている人が『それならバイク貸してやるから行こうよ!』ってことがあって、まさに『Let’sラGO』は、このノリです。

 独身でバイクに乗っていても、結婚などのライフステージの変化で泣く泣くバイクを手離す人は多いと思います。乗れるバイクが近くにあれば、乗りたいという人はいますよね。

 一方で、バイクの保有者は、高齢化で乗ってない人が増えている。このアプリはそのミスマッチを解消する。バイク持っているから貸してやる、って参加してもらえたらと思います」

『Let’sラGO』は、スマホなどのアプリ検索で無料でダウンロードできます。バイクを貸したいと思う個人は2台まで登録できて、それを見た借り手は、使用期間、車両の引き取り場所と返還場所を、チャット機能で相談します。

 両者で諸条件に合意して、クレジット決済で費用を前払いします。一連の手続きをすべて『Let’sラGO』のアプリ内で完結させることができます。

――知らない人が相手だと不安もありますね?

「知らない人にバイクを貸すのは難しいこともあります。だから、貸し手が加入する保険とは別にアプリ独自のバイク保険を付けて、貸し出している間はこの保険が機能します。貸し手のバイク保険は使いません。この保険料は謝礼に含まれ、借り手のライダー負担になりますが、車両保険や盗難保険、レッカーサービスの特約も含めて、50万円以下のバイクは1000円と抑えた保険料で提供します」

バイクがなくてもレースができる!? アプリ成功の確信は主催のレースから

 壮大な構想は、青木さんのもうひとつのライフワークである耐久レース『Let’sレン耐』から生まれたと言います。

「レースをやるにはバイクが必要と思っているかもしれませんが、この耐久ミニバイクレースの『レン耐』の“レン”はレンタルのレン。自分のバイクがなくてもレースに参加できるのが特徴です。ヘルメットとツナギ、グローブ、ブーツがあれば参加できる。どうしてもないっていうのであれば、それさえも借りられてしまう」

「このレースが今年で21年目を迎えます。年間36回、北は札幌から南は鹿児島まで。毎年3000人、延べ6万3000人が参加しているんです。これだけの人がバイクがなくても楽しんでいるのですから、バイクを貸してくれる人がいれば、もっと乗りたいと思う人は増えるのです!」

 さらに、『Let’sラGO』はバイクを貸しても良いと思うライダーだけでなく、バイクショップにも役立つと話します。

「このアプリは、ショップ自らが車両の貸し手になれる。特に個人経営のバイクショップにもメリットがあります。レンタルバイクをやる場合だと新車に限るなどの条件が必要ですが、『Let’sラGO』でバイクシェアする場合は、貸し出しできる車両台数が6台という制限だけです。必ずしも新型車を貸し出す必要はありません」

「また、個人の利用者が貸し出すバイクは故障などのトラブル防止のために12カ月の法定点検を受けていただきますが、この12カ月法定点検の整備をお引き受けいただくこともできます。(ショップの場合)車両貸し出しの連絡は決済成立後にしか通知されないため、余計な時間も使いません」

 アプリを通して、バイクを持っている人と持っていない人をつなぐ。さらに、安心して乗るための保守点検をバイクショップが担う。この3者をつなぐことで、まだバイクを乗ったことがない人やバイクをあきらめていた人など、新たなファンを増やしたい。青木さんはアプリ拡大に情熱を注いでいます。

「世の中にバイクがあるのだから、乗り手をもっと増やせばバイク人口は増える。乗る機会が増えれば、所有したい人も増えて、国内販売も活性化する。乗らなきゃブームはおきません。日本のバイクを、もっと活性化させていきたいです!」

 大阪モーターサイクルショー2025に続き、東京モーターサイクルショー2025の会場には、青木さん自らバイクシェアアプリ『Let’sラGO』のPRに赴きます(2025年3月28日、29日)。青木さんの熱い思いを共有してみてはいかがでしょうか。

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