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背景には、ドナルド・トランプ氏が第47代米大統領に就任して以来、カナダで高まっている反米感情がある。
トランプ大統領は、カナダからアメリカへの輸入品には 25%の関税 を課す大統領令に署名した。昨年12月にはトランプ氏が「カナダをアメリカの51番目の州に」と発言、世論調査によるとカナダ国民の 9割 が反対している。
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2月2日、トロントでNBAトロント・ラプターズ対ロサンゼルス・クリッパーズ戦が開催された。
試合前、アメリカの国歌斉唱で大規模なブーイングが起きている。
同日バンクーバーで開催されたNHL(ナショナルホッケーリーグ)のバンクーバー・カナックス対デトロイト・レッドウィングス戦でも、同様の場面が見られた。
AP通信 によると、その前日もオタワやカルガリーで開催されたNFLの試合で同じ現象が起きたという。
アメリカのチームが対戦相手の試合では、ほぼ毎回ブーイングの嵐だ。
ラプターズの試合でアメリカ国歌を歌っていたのは15歳の少女で、「彼女に非はない」「スポーツに政治を持ち込むな」とブーイング行為を批判する 意見 もある。
モントリオールでは、2月12日からNHL4カ国対抗(1次リーグ)が開催されている。
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試合後の会見で、カナダチームのコーチ、ジョン・クーパーは、対アメリカ戦でブーイングをしないよう 求めた 。
「ブーイングする代わりに、素晴らしいホッケーの試合に声援を送ってほしい」と述べている。
ところが2月15日のカナダ対アメリカ戦で、「国歌斉唱を尊重するよう」会場で アナウンス があったにもかかわらず、観客席からはブーイングの嵐が起きた。
結果は、3対1でアメリカの勝利。カナダのドリュー・ダウティ選手は、「もちろん何が起きているか知っているし、カナダ人のいら立ちも理解できる」としたうえで、「国家みたいなものは尊重するべきだと思う」と、ブーイングに反対の立場を 示した 。
アメリカのコナー・ヘレビュク選手は、ブーイングを「気にしていない」と語る。
「カナダの人々には言論の自由があります」
「ブーイングは、私にとって特に何の意味も持ちません。好きにしたらいい。個人的に、私は(普段)ブーイングをしませんけどね」
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一連のブーイングブームについて、カナダ人ジャーナリスト、ピーター・クテンブルワーが CBC の取材に答えた。今後カナダで、「類を見ない愛国心の表現を目撃することになる」と彼は分析している。
カナダ人はあまり自己主張が強くなく、「この種の愛国主義に慣れていない」と前置きしつつ「非常に強力な隣国の妨害を恐れている」と語った。
「私たちは、祖国への献身と愛情を表現する場を求めています。(ブーイング)その方法であり、必要な行為です」