“クラブハウス売店”のゴルフ用具ってどんな人に需要があるの? プロはいなくても「プロショップ」と呼ぶのはなぜ?

ゴルフ場のクラブハウスには売店が設置されており、クラブなどの用具を売っているケースも多いです。なぜ、ボールのような消耗品以外も取り扱っているのでしょうか。

本来はクラブを主な商品にすべきところ

 ゴルフ場のクラブハウスの中には、チェックインやチェックアウトの手続きを行うフロントや、ラウンド前後にくつろげるスペースのほかにも、周辺地域の名産品やゴルフ場のオリジナルグッズが販売されている売店をよく見かけます。

クラブハウスの売店でクラブを買うイメージはあまりないが… 写真:PIXTA

 まるでホテルやテーマパークのお土産売り場のようにさまざまな商品が並んでいますが、クラブなどのゴルフ用具が売られているコーナーもあり、「わざわざゴルフ場で買うゴルファーなんているの?」と考える人もいるかもしれません。

 では、クラブハウスの売店ではなぜボールやティーのような消耗品以外も取りそろえてあるのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「クラブハウス内にある売店は、米国のゴルフ場での呼称から正式には『プロショップ』といいます。日本のゴルフ場では一般のスタッフが店員をしている場合も多いですが、米国で見られる真のプロショップは各ゴルフ場に所属するプロゴルファーが運営権を持っているのが基本なので、このように呼ばれています」

「日本では打ちっ放しの練習場やインドアゴルフに行ったり、そこで指導に当たっているレッスンプロから教わった後にゴルフ場に出て、コースデビューを果たす人が多いです」

「しかしアメリカでは、先にゴルフ場のメンバーになることも多いです。そして所属するプロにドライビングレンジやバンカー練習場などでノウハウを教えてもらい、コースでのラウンドをスタートするという方法が一般的です」

「その際、クラブなどの用具もゴルフ場のショップで購入することになります。プロがお店を切り盛りしているので、自分に合ったクラブを提案しフィッティングしてくれるサービスを兼ね備えているというのが、プロショップとして本来あるべき姿となっています」

 日本のゴルフ場では、チェックインやチェックアウトは入ってすぐのところにあるフロントで行い、売店はその近くにお土産屋さんのような形で置かれているのがほとんどです。しかし、プロショップ発祥の地であるアメリカではプロショップのカウンターがフロントの役割を持っており、商品のスペースの奥に小さく設けられているのが普通だそうです。

 また、店内での売り上げは全てプロに渡っていたことから「プロショップ」と名付けられましたが、現在はほとんどがゴルフ場の収益として扱われるようになったことから、「ゴルフショップ」と名を変えているところも多いようです。

日本のプロショップは「駅ナカの売店」のようなもの

 飯島氏は「日本のゴルフ場のプロショップは、本来あるべき姿からかけ離れてしまっている」と話します。

「日本のプロショップは、ゴルフやクラブの知識を持っていない人でも販売ができるようになっています。扱っている商品もボールやグローブのようなゴルフ用品でも価格の低い小物類や、なかには地元のお土産などゴルフとは関係のないものも多いです。専門店的な要素が欠けてしまっていることから、もはや『駅ナカの売店』といった方が適切な状態と化していますが、それでも多くのゴルフ場では『プロショップ』と呼んでいます」

「一部では、扱っているクラブの特性をしっかりと理解しているショップもあり、私の知っているところにも年間で5000万円近い売り上げを誇っている店舗もあります。しかしそのようなショップはほんの一握りに過ぎず、基本的にはパターか中古品のような激安クラブくらいしか売れないのが現状です」

「最近では市街地でも用品店が増加しており、割引やポイントなど各種便利なサービスもそろっているので『プロショップ=クラブを買う場所』というイメージもどんどん薄れてしまっています」

 都心から離れた場所にあるゴルフ場ではそもそもの客単価が低くなりがちなため、1本数万円もするようなクラブを大量に入荷してもほとんどが売れ残りになるリスクがあることも、プロショップをプロショップとは呼べないものにしている要因かもしれません。

 そのため、プロショップの元々の姿を維持できている店舗は名門コースのようなメンバーシップ制が強いところや、量販店に行く機会の少ない一部の経済的に余裕のある人に需要があって、クラブの知識に長けている人が担当しているところに限られてくるようです。

 多くのゴルファーにとっては、ラウンドを終えてから帰宅するまでのちょっとした時間に買い物目的で寄るものだと思い込みがちなプロショップ。しかし本来の姿である、「良いクラブを提案してくれる場所」としての役割を持つお店が増えるとゴルファーにもメリットがあるかもしれません。

ピーコックブルー

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