厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、令和5年の定年退職者一人当たりの平均退職給付額と勤続年数ごとの給付額は表1の通りです。
表1
(管理・事務・技術職) 高校卒
(管理・事務・技術職) 高校卒
(現業職) 一人平均退職給付額 1896万円 1682万円 1183万円 勤続
20〜24年 1021万円 557万円 406万円 25〜29年 1559万円 618万円 555万円 30〜34年 1891万円 1094万円 800万円 35年以上 2037万円 1909万円 1471万円
※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況」を基に筆者作成
勤続年数による給付額の差は大きく「勤続20〜24年」と「35年以上」を比べると1000万円以上の違いがあることが分かります。
年金については、厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和4年における国民年金受給者の平均年金月額は5万6428円、厚生年金受給者の平均年金月額は14万4982円であることが分かりました。
次に、総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編)(令和5年)」によると、65歳以上の単身無職世帯における1ヶ月の平均支出は15万7675円となっています。
消費支出の内訳は表2の通りです。
表2
※総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
1年に換算するとおよそ189万円、65歳から90歳まで生きたとして25年間でおよそ4725万円が必要ということになります。
退職金を2000万円もらい、年金を月々14万円受給すると仮定すると、65歳から90歳までの25年間で6200万円の収入があることになります。25年間に必要な生活費を差し引くと約1500万円が残るため、働かなくても生活していける可能性はあるでしょう。
ただし、高齢になると入院や介護が必要になったり、自宅のバリアフリーリフォームを検討しなければならなくなったりすることもあり、思っていた以上にお金がかかることも考えられます。
勤務年数や職種によっては2000万円前後の退職金をもらえるケースもあるため、定年後の生活に役立てようとする方も多いでしょう。
65歳以上単身世帯の1ヶ月平均支出は15万7675円なので、90歳まで生きたとして約4725万円が必要です。
年金を月々14万円受給すれば退職金と合わせて6000万円以上の収入となるため、定年後は働かなくても暮らしていける可能性があるといえるでしょう。
厚生労働省
令和5年就労条件総合調査の概況(18ページ)
年金局 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(8.19ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー