株式会社産労総合研究所が実施した「2024年度 決定初任給調査」によると、2024年4月新入社員の初任給を前年度から引き上げた企業は、75.6%(前年度68.1%)に上りました。これは1997年度の調査開始以降で最も高く、27年ぶりに70%を超えています。
一方、据え置いた企業は16.5%(前年度28.9%)で、引き下げた企業はありませんでした。初任給を引き上げた理由で最も多いのは「人材を確保するため」で、73.5%(前年度70.2%)となっています。次いで「在籍者のベースアップがあったため」が43.4%(前年度49%)、「初任給の据え置きが長く続いていたため」が7.5%(前年度12.2%)です。
なお、初任給を据え置いた理由としては、「現在の水準でも十分採用できるため」と「在籍者のベースアップがなかったため」が共に27.9%でした。初任給は増加傾向にあることが分かります。
株式会社産労総合研究所の「2024年度 決定初任給調査」によると、2024年度の初任給は1992年度以来32年ぶりに、全学歴で前年度から3%超の増額となりました。
学歴別にみると、大学卒で一律に金額を定めている場合の初任給は22万5457円、大学院卒は修士が24万7702円、博士が25万2089円であり、大学院卒の初任給は大学卒よりも2万円以上高いです。
大学院卒の初任給が大学卒よりも高い理由は、専門知識がより身に付いているため、即戦力になりやすいことが考えられるでしょう。企業によっては学歴より実力重視の所もありますが、初任給は高学歴が高収入につながっている場合が多いようです。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計 2024」によると、男性の正社員の場合、大学卒の生涯賃金は約2億5150万円、大学院(修士)卒の生涯賃金は約3億460万円となっています。
これは学校を卒業後すぐに就職し、その後60歳で定年退職するまで失職せず、フルタイムの正社員勤務を続けた場合の、退職金を除いた想定平均金額です。
つまり大学院卒の生涯賃金は、大卒よりも5000万円近く高くなる可能性があることが分かります。その理由としては、大学院卒は高い専門性やスキルを有しているので、大企業が採用するケースも多い、などが考えられるでしょう。
大学院の修士課程に進学すると、大学4年間に加えてさらに2年間の学費がかかります。さらに生活費などもかかりますが、大学卒と大学院卒の生涯賃金の差が約5000万円であることを考えると、生涯で見れば十分に利益があると言えるでしょう。
もちろん、賃金だけが全てではありません。実務経験を早く積みたい場合は大学卒、専門性やスキルを高めてから就職したい場合は大学院卒を選ぶなど、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
文部科学省 令和6年度学校基本調査(確定値)について公表します。
株式会社産労総合研究所 2024年度 決定初任給調査
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計 労働統計加工指標週(312ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー