来年高校を卒業する姪、「高卒で公務員」を目指すそうです。公務員の場合、高卒と大卒で「生涯年収」に差はありますか?

いわゆる堅実な職業として知られている公務員。大卒者だけでなく高卒者も公務員を目指せますが、学歴による生涯年収の差はあるのでしょうか。   当記事では地方公務員を例に挙げて、生涯年収の差について入職時の学歴の観点から解説します。地方公務員の一般行政職における高校卒職員の割合は「21.0%」

地方公務員の中でも職員数が多い傾向にあるのが、幅広い行政事務を担当する「一般行政職」です。総務省が発表した「令和5年4月1日地方公務員給与実態調査結果」によれば、一般行政職の学歴別職員数構成は表1のようになっています。
 
表1

全学歴 大学卒 短大卒 高校卒 中学卒 職員数 83万3210人 59万322人 6万6943人 17万4630人 1315人 構成比 100.0% 70.9% 8.0% 21.0% 0.2%

出典:総務省「令和5年4月1日地方公務員給与実態調査結果」を基に筆者作成
 
一般行政職においては大学卒が最も多く70.9%を占め、次いで人数が多いのが高校卒の21.0%となっています。
 

都道府県に勤める高校卒職員(一般行政職)の平均給料月額は「31万8916円」

高校卒の一般行政職における平均給料はどの程度なのでしょうか。総務省の公表した「令和5年4月1日地方公務員給与実態調査結果」内「表−13 団体区分別、経験年数別平均給料月額 一般行政職(高校卒)」を参照すると、都道府県に勤める高校卒職員の平均給料の月額は、令和5年度の段階で31万8916円となっています。
 

都道府県に勤める大学卒職員(一般行政職)の平均給料月額は「32万77円」

対して、大学卒の一般行政職の平均給料をみてみましょう。同調査結果内「表−12 団体区分別、経験年数別平均給料月額 一般行政職(大学卒)」より、令和5年度の都道府県に勤める大学卒職員の平均給料月額は32万77円となっています。単純計算で1161円の差額と、一見して大きな差は見受けられません。
 

ただし高卒では「キャリアアップ」に限界がある可能性も

しかしながら、生涯年収を予測する場合はこれまで述べてきた給料=基本給だけでなく、上乗せされる諸手当についても考慮する必要があります。
 
一例として、役職手当に着目してみましょう。総務省の発表した「令和5年4月1日地方公務員給与実態調査結果」から、都道府県における高校卒職員の役職者割合を整理したものが表2です。
 
表2

総数(学歴計) うち高卒者人数 割合 部長・局長(及び相当職) 4244人 366人 約8.62% 課長(及び相当職) 2万2321人 3247人 約14.55% 課長補佐(及び相当職) 5万4965人 1万2781人 約23.25% 係長(及び相当職) 7万659人 1万6458人 約23.29%

出典:総務省「令和5年4月1日地方公務員給与実態調査結果」を基に筆者作成
 
係長及び相当職の高卒者は総数の4分の1以下、部(局)長及び相当職では1割以下となっており、管理職クラスへの昇進については現状、大卒者が多数派であることがうかがえます。諸手当を含む生涯年収については、この役職に占める割合の差が影響する可能性もあるでしょう。
 

まとめ

地方公務員の一般行政職では、管理職への昇進人数に学歴による差がみられることから、キャリアアップの道筋による役職手当の差がついた場合、生涯年収が開く可能性があります。大学進学にかかるコストや勤続年数の差と、得られる経験・知識をてんびんにかけ、キャリアを歩む本人が納得できるプランを選びましょう。
 

出典

総務省 令和5年 地方公務員給与の実態 令和5年4月1日地方公務員給与実態調査結果 第1 調査結果の概要(22、26、27ページ)
総務省 令和5年 地方公務員給与の実態 令和5年4月1日地方公務員給与実態調査結果 第2 統計表I [基幹統計調査関係]一般職関係 第1表〜第3表の5(253ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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