不二精機 Research Memo(2):高精度プラスチック金型技術を武器に、精密金型と射出成形の2事業を展開(1)

■会社概要



1. 会社概要

不二精機6400>は、1955年3月、初代代表取締役社長の伊井幸雄(いいゆきお)氏が個人企業「三協金型製作所」として創業、1965年には大阪市生野区に精密プラスチック金型の製造及び販売を目的に、不二精機(株)として設立した。その後、高精度精密プラスチック金型の製造を専業とし事業拡大した。特に1995年にはCD(コンパクトディスク)プラスチックケース用精密金型の量産タイプを開発し、売上が急拡大した。その後の日本の金型市場の縮小に対応し、2001年にアジアでの生産拠点としてTHAI FUJI SEIKI Co.,LTD.を設立し、海外連結子会社の設立を加速し、自動車及び二輪車向け精密成形品事業を中心に事業拡大を行った。また、2019年12月期にグループ化した秋元精機工業(株)は、板金プレス部品、インサート成形部品製造を展開しており、今後は鈴鹿新工場を拠点に電気自動車(EV)関連部品向けに金属と樹脂が一体となった金属端子やコネクタ部品などにも事業展開を図っている。



同社グループの従業員は753名(2023年12月末時点)となっている。射出成形用精密金型及び成形システム事業においては松山工場と中国常州工場を拠点とし、精密成形品その他事業については上海、タイ、インドネシアの3海外生産拠点と秋元精機工業で事業展開している。同社単体では主力の松山工場中心に製造を行っていたが、2023年10月には精密成形技術マザー工場として鈴鹿工場が稼働、2025年にはEV関連部品の製造を本格的に行う予定である。また高知県宿毛でCAD・金型部品工場を立上げ、2023年1月より仮稼働を始めた。



2. 事業内容

同社は、現在は射出成形用精密金型及び成形システム事業と精密成形品その他事業の2事業で事業展開している。射出成形用精密金型及び成形システム事業では高度な金型設計ノウハウと加工技術を有し、1) ハイサイクル、2) 多数個取り、3) 不良率・バラツキの極小化、4) 長寿命を特徴として高付加価値な精密金型製造を行っている。具体的には精密・高品質が求められる透析装置であるダイアライザーや注射器、製品コストの削減も求められる食品用キャップ・容器等がある。また精密成形品その他事業では、精密金型の競争力を活用し、参入障壁の高い自動車関連部品分野に絞り事業展開している。



2023年12月期における売上構成比は、射出成形用精密金型及び成形システム事業が35.6%、精密成形品その他事業が64.4%となっている。また営業利益構成比(セグメント間取引消去前)では射出成形用精密金型及び成形システム事業が52.4%、精密成形品その他事業が47.6%となっている。



(1) 射出成形用精密金型及び成形システム事業

射出成形用精密金型及び成形システム事業は、ハイサイクル(高性能)、ロングライフ(長寿命)、多数個取り、不良率・バラツキの極小化による安定化などを強みに事業展開してきた。代表的な製品がCD用プラスチックケース向け精密金型並びに周辺機器を組み合わせた成形システムである。CDは1979年にソニーグループ6758>とRoyal Philips

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