暦が1月となり、冬の移籍市場が開幕した。この時期は各クラブが勝負の後半戦に向けて課題克服や戦力を整えるために補強に動いている。今回は、過去にマンチェスター・ユナイテッドが冬に獲得した選手で、失敗に終わった6つの例を紹介する。(成績は『transfermarkt』を参照)
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FW:アレクシス・サンチェス(チリ代表)
生年月日:1988年12月19日
移籍金:3400万ユーロ(約54.4億円)
通算成績:45試合5得点9アシスト
アレクシス・サンチェスほどマンチェスター・ユナイテッドサポーターの期待を裏切った選手はいないかもしれない。
チリ史上最高の選手の1人であるアタッカーは、前所属のアーセナル時代に公式戦166試合で80得点と、約2試合に1ゴールのペースでネットを揺らしていた。
サンチェスがマンチェスター・ユナイテッドに加入した2017/18シーズンも前半戦だけで7得点と年間2桁ゴールを決めるペースでゴールを重ねており、それまでの実績からもジョゼ・モウリーニョ監督(当時)のチームにおける新エースとして期待されていた。
背番号はデビッド・ベッカムやクリスティアーノ・ロナウドらが着用した伝統の「7」、週給は当時のチームで最高の39万ポンド(約7410万円)と高待遇で迎えられていた。しかし、同シーズンの後半戦は決定力不足が露呈して2ゴールに留まると、続く2018/19シーズンは軽傷を含めて6度の離脱と戦力として計算することも厳しかった。
マンチェスター・ユナイテッドに加入してから最初のマンチェスター・ダービーで大逆転勝利に導く2アシストを記録するなど、活躍した試合があったのも事実だ。しかし、在籍した1年半での成績は45試合5得点9アシストと、加入当初に期待されていたほどの活躍を披露できたとは言い難い。
獲得にかかった高額なコストを含めて最悪の補強の1つだろう。
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FW:ディエゴ・フォルラン(元ウルグアイ代表)
生年月日:1979年5月19日
移籍金:1100万ユーロ(17.6億円)
通算成績:98試合17得点9アシスト
ディエゴ・フォルランはマンチェスター・ユナイテッドで常に強力なライバルに阻まれ続けた。
若くしてアルゼンチンの名門インデペンディエンテでエ−ス級の活躍を披露していたウルグアイ人FWは、22歳で迎えた2002年1月にイングランドを代表する名門に1100万ユーロ( 約17.6億円)の移籍金で引き抜かれていた。
しかし、ツートップを採用していた当時のマンチェスター・ユナイテッドは、ルート・ファン・ニステルローイとオーレ・グンナー・スールシャールの2枚看板が得点を量産しており、その間に割って入るのは至難の業だった。その結果、一度もネットを揺らせずに半年間が過ぎ去った。
続く2002/03シーズンは途中出場が大半ながらプレミアリーグで6ゴールとまずまずの結果を残したが、2003/04シーズン途中にスールシャールの怪我の影響でフラムからルイ・サハを獲得すると、序列が一気にダウンした。
そして退団の決定打となったのが2004年夏のウェイン・ルーニー獲得報道で、後にマンチェスター・ユナイテッドの最多得点記録を更新するFWと入れ替わる形でチームを去った。
フォルランはマンチェスター・ユナイテッドを去った直後の2004/05シーズンにビジャレアルでラ・リーガ得点王に輝いた。2008/09シーズンにはアトレティコ・マドリードでもリーグ戦で32得点をあげており、2010年のFIFAワールドカップ・南アフリカ大会でも同大会最多の5ゴールを記録している。そんな実力者を戦力として信頼しきれなかったのは誤算だったと言えるだろう。
MF:ゾラン・トシッチ(元セルビア代表)
生年月日:1987年4月28日
移籍金:700万ユーロ(約11.2億円)
通算成績:5試合0得点0アシスト
CSKAモスクワ時代に本田圭佑と共にプレーしていたことでも知られるゾラン・トシッチは、21歳で迎えた2009年1月にマンチェスター・ユナイテッドに引き抜かれている。移籍金は700万ユーロ(約11.2億円)と、当時としては決して安い額ではなかった。
背番号は14が与えられ、同郷のネマニャ・ヴィディッチがサポートに回るなど期待値は高かったが、今よりもベンチ入りメンバーが少ないプレミアリーグでスカッド入りをすることは難しかった。リーグ戦では加入から1年間で3試合のみのメンバー入りに留まり、オーレ・グンナー・スールシャール監督が率いるリザーブチームでのプレーが大半だった。
加入から1年後の2010年冬にケルンへ期限付き移籍すると、ドイツの地で結果を残すことに成功。保有権を持つユナイテッドが半年後にCSKAモスクワから950万ユーロ(約15.2億円)のオファーを受けると、トップチームで計算することが難しかったこともあり、獲得から1年半後に売却を決断した。
FW:ボウト・ヴェグホルスト(オランダ代表)
生年月日:1992年8月7日
移籍金:300万ユーロ(約4.8億円)※期限付き移籍
通算成績:31試合2得点3アシスト
ボウト・ヴェグホルストはブンデスリーガで2桁ゴールを3度経験したことがある点取り屋として知られるが、マンチェスター・ユナイテッドでは得点力を発揮することができなかった。
エリック・テン・ハフ体制が発足した2022/23シーズンのマンチェスター・ユナイテッドは、クリスティアーノ・ロナウドが2022年11月に退団した影響もあってストライカー不足に陥っていた。アントニー・マルシャルも怪我がちという中で白羽の矢が立ったのがヴェグホルストである。
2023年冬にバーンリーからローン移籍で加入すると、チーム合流直後からスタメンに定着。ポストプレーや前線からの守備など、献身的な姿勢でチームの機能性を上げる役割を担ったが、ストライカーに求められる肝心な得点力は物足りず。プレミアリーグでは出場した17試合で無得点に終わり、全公式戦でも2ゴールに留まった。
同シーズンはマーカス・ラッシュフォードが大車輪の活躍を披露していたこともあり、ヴェグホルストの得点力不足がチームの成績に影響することはなかったが、ストライカーでこの成績は褒められるものではないだろう。
結局、買い取りの可能性もあったが、現9番のラスムス・ホイルンドの加入もあって半年での退団となった。
FW:マヌーショ(元アンゴラ代表)
生年月日:1987年3月7日
移籍金:100万ユーロ(約1.4億円)
通算成績:3試合0得点0アシスト
アレックス・ファーガソン政権時代は獲得した選手の多くが活躍した一方で、ベベを代表するように謎の存在のまま退団した例もある。その1人が2008年冬の移籍市場で加入したマヌーショだ。
アンゴラリーグで得点王に輝いていた190cmの大型FWは、当時アシスタントコーチを務めていたカルロス・ケイロスの推薦でマンチェスター・ユナイテッドのトライアウトに参加。3週間のトレーニングを経て、正式に名門クラブの一員となった。
すでに24歳を迎えていた同選手だったが、労働許可証(VISA)の影響ですぐにはマンチェスター・ユナイテッドでプレーすることができず、パナシナイコスへの期限付き移籍を経て半年後にデビューへと至った。
しかし、当時のトップチームには、ウェイン・ルーニー、カルロス・テベス、ディミタール・ベルバトフという3人のワールドクラスのストライカーが在籍していたこともあってチャンスは訪れなかった。
半年後にハル・シティへと期限付き移籍という形で退団すると、シーズン終了後にはレアル・バジャドリードへと完全移籍。アンゴラから他の欧州のクラブを経由せずに加入した大型FWは、インパクトを残せないままマンチェスターを去った。
FW:ウィルフレッド・ザハ(コートジボワール代表)
生年月日:1992年11月10日
移籍金:1175万ユーロ(約18.8億円)
通算成績:4試合0得点0アシスト
マンチェスター・ユナイテッドで27年間指揮を執ったアレックス・ファーガソンが、クラブに置き土産のような形で残したのがウィルフレッド・ザハだった。
当時チャンピオンシップに所属していたクリスタル・パレスで台頭したザハは、2012年11月にイングランド代表デビューを飾るなど、2部で傑出した存在だった。
『The Athletic』によると、そんな怪物ドリブラーを推薦したのは指揮官の実子であるダレン・ファーガソンだったようだ。同氏は当時2部を戦っていたピーターバラを率いており、そのときにザハを擁するクリスタル・パレスと対峙していた。そのインパクトにより、自らの父であるアレックス・ファーガソンに同選手の獲得を助言してユナイテッドへの移籍が進んだようだ。
2013年冬に1175万ユーロ(約18.8億円)の移籍金で取引が成立すると、2012/13シーズンの後半戦は期限付き移籍という形でロンドンのクラブに残留。しかし、半年後にマンチェスター・ユナイテッドに合流すると、その時には自らの獲得を後押ししたファーガソンは勇退という形でチームを去っていた。
これがザハからすると計算外の事態で、翌シーズンに発足したデイヴィッド・モイーズやルイ・ファン・ハール体制では監督の信頼を掴むことができず、トップチームでプレーする機会はほとんど与えられなかった。
2014/15シーズンに古巣クリスタル・パレスへと復帰を果たすと、プレミアリーグ屈指のドリブラーとしてブレイクし、皮肉にもマンチェスター・ユナイテッド戦では何度も脅威となった。
【了】
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