大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」の漆塗りオブジェが完成した。越前漆器の漆琳堂(福井県鯖江市西袋町)が制作を担当し、漆器で使われる四つの加飾技法を惜しみなく注ぎ込んだ。会場内のオフィシャルストアなどで展示しており、福井の伝統工芸が世界の目に触れる機会となりそうだ。販売もしており、価格は165万円。
伝統工芸品企画販売などの中川政七商店(奈良市)が「ミャクミャク 工芸と、出会う。」と題して日本の伝統工芸とのコラボを企画。ミャクミャクは細胞と水が一つになり誕生した生き物で、水のように潤いのある質感が表現できる漆が選ばれた。本体の高さ25センチ、台座の高さ2・5センチ。ミャクミャクは複雑な形をしていることから素材は、漆器で一般的な木製ではなく磁器で作った。
目の青い部分には、貝殻の内側を薄く加工し、微細に砕いて目の形状に合わせて貼り付ける「螺鈿(らでん)」技法を採用。白目部分には、うずらの卵の殻を細かく砕いて貼る「卵殻貼り」の技法を使った。鮮やかな青は「変わり塗り」、赤の細胞部分は漆らしい艶が特徴の「真塗り」で仕上げた。
漆琳堂の内田徹社長によると、一つの製品に四つの技法が詰め込むのは珍しいという。制作には約3カ月かかり、内田社長は「普段は日用品を作っているが、芸術の分野に携われてうれしい」と話していた。
万博会場内のオフィシャルストアで4月13日に限定1体で販売を始め、開幕から1週間で売れた。現在は中川政七商店オンラインショップで1体販売しており、5月7日午前9時59分まで抽選を受け付けている。会場内のオフィシャルストアと中川政七商店近鉄あべのハルカス店(大阪市)で展示もしている。
コラボ企画では越前漆器のほか、佐賀の鍋島焼やガラス、和紙、スズで作ったミャクミャクがある。
「ミャクミャク」165万円の漆塗りオブジェ 大阪万博で展示、抽選販売 越前漆器の技法駆使
福井新聞 2025/05/04 17:10