「ジャブを打つイメージだ!」井上尚弥をヒントに横浜が健大高崎・石垣元気を単打で攻略 村田浩明監督の言葉力

◆第97回センバツ高校野球大会第10日 ▽準決勝 横浜5ー1健大高崎(28日・甲子園)

 昨秋の明治神宮大会王者・横浜(神奈川)が健大高崎(群馬)との強豪対決を制し、公式戦19連勝。史上5度目、初の2度目の秋春連覇に王手をかけた。優勝した06年以来、19年ぶり5度目の決勝進出。打線は最速158キロを誇る今秋ドラフト上位候補右腕・石垣元気(3年)を攻略。先発した2年生右腕・織田翔希も7回無失点と快投した。智弁和歌山は7年ぶり5度目の決勝進出。31年ぶり2度目のVへあと1勝に迫った。29日は休養日。東西横綱による決勝は、30日午後0時半にプレーボールとなる。

 希望あれ、輝け―。校歌を歌うと、横浜ナインは最高の笑顔で三塁側アルプスへと駆けた。高校球界最強の剛腕を攻略しての決勝進出。村田浩明監督(38)は、選手たちをたたえた。

 「石垣君に勝つために、強を強で行くのではなく、強を弱で行くんだと伝えました。選手たちが徹底してやってくれた成果です」

 2点リードで迎えた4回1死二塁。石垣が登板すると、横浜ベンチが沸いた。5番の2年生・小野舜友は言った。「石垣投手が出てくるのをみんな待っていました」。2者連続三振でチェンジとなったが次の5回、打撃陣が襲いかかった。

 先頭の1番・奥村凌大は初球カーブを中前に運んだ。「バットは指3本、短く持った」。続く為永皓は詰まりながら右前に落とし、一、三塁。二盗を成功させ、足で揺さぶった。3番の主将・阿部葉太は始動を早く取り、152キロ直球を右前にタイムリー。「強い投手に対し、柔よく剛を制す気持ちでした」。二盗を決めた。四球を挟み、無死満塁から小野が149キロ直球を中前へ。池田聖摩はフルカウントから153キロ直球を見極め、押し出し四球を選んだ。全て単打の4安打2四球に、2盗塁で3点。スモール野球でリードを5点に広げた。

 特訓が実った。前日練習では打撃投手が普段より8メートル近くから投げた。マシンは150キロに設定し、目を慣らした。夜のミーティングでは村田監督がナインに訴えた。「プライドを持っていれば、プライドは捨てられる。バットを短く持って、パチン!と打つんだ。ジャブを打つイメージだ!」

 指揮官は同校OBの大橋ボクシングジム・大橋秀行会長(60)と親交がある。同ジム所属の天才ボクサー・井上尚弥の戦いを見て気づいた。「いきなりKOはない。本当に強い者同士は、ジャブを打ち合う。けん制し合う」。イメージを教え子たちが体現した。

 ハングリーに勝利を求め、奪った価値ある1勝。「決勝も全員野球で、全身全霊で勝っていきたい」と奥村凌。泥臭く、春の頂点へ駆け上がる。(加藤 弘士)

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