◆米大リーグ ドジャース7―3タイガース(29日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・佐々木朗希投手(23)が29日(日本時間30日)、本拠地・タイガース戦で米国デビューしたが、負傷降板を除くとNPBを含めて自己最短の1回2/3でKOされた。4四球と制球に苦しみ、降板後はベンチ裏に直行。ロバーツ監督に呼び戻され、目を潤ませる場面もあった。「1番・DH」の大谷翔平投手(30)は開幕からの連続試合安打が4で止まったが、2出塁で今季初盗塁をマークするなど逆転勝ちに貢献。球団44年ぶり開幕5連勝と好発進した。
降板を告げに来たロバーツ監督を目にした佐々木は、思わず天を仰いだ。本拠地デビュー戦は2回途中降板で“プロ最短KO”。額の汗を拭ってマウンドから降りると、足早にベンチ裏に下がった。だが、自身が残した走者がいる状況。追い掛けてきた指揮官にベンチに連れ戻され、両目を赤くしながら戦況を見届けた。
「技術的なところでコントロールしきれなかったというか、ストレートもフォークも…。スライダーがかろうじて少しよかったぐらいです。緊張はなく挑めたが、シンプルに技術不足かなと」
1回2/3で61球、3安打4四球2失点。自慢の速球をファウルで粘られ、スプリットを見極められる悪循環に陥った。プロでは一度もなかった押し出し四球を2戦連続で許すなど、この日も制球難でストライク率は52・4%。昨季20試合以上に先発した投手105人の平均64・8%と比べると、明らかに物足りない数値だ。前回登板は100マイル(約161キロ)超を連発したが、最速も96・9マイル(約155・9キロ)にとどまった。
NPBと比べ滑りやすいとされるメジャー球に、時間制限「ピッチクロック」など、慣れない環境による負荷もかかる。「(影響は)あると思う」と受け止め、「何か一つの問題で自分のパフォーマンスを出せてないわけではない。いろんな要素がある」と、もどかしさを明かした。
初陣に集まった観衆5万1788人は、四球を与えれば球審に対してブーイング。降板時は盛大な拍手でねぎらった。人気急上昇中で、スタジアム内の売店では佐々木グッズが間もなく売り出される予定という。街中の球団公式ショップではすでに取り扱われ、「MONSTER OF THE REIWA ERA」と記されたTシャツが販売されるなど大盛り上がりだ。
次回は中6日で4月5日(同6日)の敵地フィリーズ戦に登板予定。ロバーツ監督は「まだ若く、キャリアをスタートさせたばかり。成長し続けることが大事」と信頼を寄せた。「練習でできても試合の強度でうまくいかなかったり、日々新しい課題が出るので向き合ってやるしかない」と前を向いた朗希。苦い経験を次に生かす。(竹内 夏紀)
「 信じきれるものなかった」 朗希に聞く
―理想通りの投球には時間がかかりそうか。
「自分が理想とするところには、もちろんすぐには行けない。ただ毎週ゲームはあるので、目の前の結果も必要ですし、小さくまとまりすぎないことも大事」
―5万人超の観衆で緊張感は。
「いい緊張感はもちろんありました。本拠地で初めての登板で、浮足立ったような感じはなかった。ただ、技術的にハマらないというか、自分の中で信じきれるものがなかった」
―ベンチで悔し涙を浮かべていたが。
「そんなことはないです」
―41球を投じた初回から、2回への修正は。
「今までロージンに触らなかったところをロージンに触ってみたり。フォームを変えても試合中では戻りきることはないと思うので、ちょっとしたことや、気持ち的なものでピッチクロックで時間がない中でも、なるべく落ち着いて投げたり、少しずつできることはやってはいました」