輪島市東陽中で教員生活の第一歩を踏み出す濱野通信(みちのぶ)さん(22)=珠洲市宝立町鵜島=は、能登半島地震で珠洲の実家が中規模半壊した。現在は能登町の祖母方に身を寄せ、不自由な生活を強いられる中、ふるさと能登で教壇に立つことが決まった。赴任先の東陽中の周辺は、地震と奥能登豪雨による被害が大きかった地域。「同じ被災者として子どもたちの気持ちに寄り添うことができると思う。教育の現場から復興の役に立ちたい」と決意を新たにした。
珠洲・宝立小中時代は生徒会長を務め、男子ソフトテニス部の活動に打ち込んだ濱野さん。自宅近くの野山に生息するチョウに魅せられ、昆虫を学びたいと岡山理科大に進学した。
地震で実家に保管していたチョウの標本は全て失われてしまったという。それでも、豊かな自然を生かした観察や実験を授業に積極的に取り入れ「理科が好きな子どもを増やしたい」と強調。それがふるさとへの愛着につながると、生徒たちとの出会いを心待ちにしている。