春の新入学シーズンを迎えるこの時期、大きな盛り上がりを見せるのが携帯各社のいわゆる「学割」だ。この時期は新入学を機として親が子どもにスマートフォンを持たせることが多いことから、その学生をターゲットにした販売競争が過熱する傾向にあるのだ。
だがそこで多くの親世代が悩むことになるのが、「子どもにどのスマートフォンを持たせるべきか?」ということではないだろうか。最近では円安などの影響でスマートフォンの価格は“爆上がり”しており、普通に購入すると10万円は下らない機種が増えている。
しかしだからといって、「なんでもいいから」と適当な機種を選んでしまうと、子ども側からの不満を買い親子ゲンカにもなりかねない。なぜならこれからスマートフォンを持つ子ども世代は、ある意味で最もスマートフォンを使いこなす世代でもあるからだ。
動画やゲーム、SNSなど、あらゆる用途でスマートフォンを活用する子ども世代がスマートフォンに必要としているのは高い性能だ。それだけに、子どもが持つスマートフォンを選ぶ上では価格と性能のバランスをいかに取るかが重要になってくる訳だが、そのためには一体どのようなスマートフォンを選ぶべきなのだろうか。
●人気だが高額なiPhone、安く利用する方法は
子どものスマートフォンを選ぶ上で、最初に考慮するのは「iPhoneかそれ以外か」であろう。日本では米Apple「iPhone」シリーズのシェアが非常に高い一方で、iPhoneは他のスマートフォンとは異なり独自の「iOS」を搭載している。それゆえiPhoneユーザーしか利用できない機能も多く、例えばファイル交換などに活用されることが多い「エアドロ」(AirDrop)などは、iPhoneユーザー同士でしか利用できない。
そして友達の多くがiPhoneを持っていることから、仲間外れにならないためにもiPhoneが欲しいという子どもは多いようだ。ただ一方で、iPhoneには低価格の機種がなく、非常に値段が高いことから、親側からすれば「できれば避けたい」というのが本音だろう。
とりわけ2025年2月末に「iPhone 16e」が発売されたことで、6万円台で購入できた「iPhone SE(第3世代)」が現行のラインアップから姿を消してしまったこともあり、一層iPhoneは買いづらくなっている。現行モデルで最も安いiPhone 16eでさえ、最も安いストレージ128GBのモデルでApple Storeでの価格は9万9800円とほぼ10万円というべき価格だけに、手を出しづらいと感じる人は多いのではないだろうか。
ただiPhoneを安く購入する選択肢はいくつかあり、最もスタンダードな方法は携帯各社の端末購入プログラムを利用することだ。これはスマートフォンを長期間の分割払いで購入し、1〜2年と一定期間が経過した後に返却することで、端末は手元に残らないが残りの支払いが不要、あるいは割引となることからその分安く利用できる仕組みである。
携帯電話会社は返却されたスマートフォンを中古市場に売却することで残りの支払い分を埋め合わせているのだが、iPhoneは中古でも人気が高く、その分割引も効きやすい。それゆえiPhoneを、端末購入プログラムを活用して利用すると非常に安い値段で済むことが多いのだ。
iPhone 16eの128GBモデルを例に挙げると、新規契約で最も安く購入できるのはソフトバンクのようだ。実際、新規もしくは他社からの乗り換えで、「新トクするサポート(スタンダード)」を適用して購入すれば、25ヵ月目に返却することで月額1円、2年間で24円での利用が可能になる。
NTTドコモやauでは他社からの乗り換え時のみ割引を多く付与しているため、新規契約時の割引額はソフトバンクに及ばないようだ。ただそれでも端末購入プログラムを適用することで、2年間での支払額は約3〜4万円に抑えられる。
またiPhoneは、旧機種、あるいはiPhone 16eのように比較的安価なモデルを中心として、「UQ mobile」「ワイモバイル」など携帯各社のサブブランドも扱っていることが多い。こちらはメインブランドと比べ割引額は抑え目な傾向にあるが、それでも端末購入プログラムの適用で安く利用できるし、何より毎月の通信料が安い。家族で毎月の携帯料金を安く抑えたいなら、そちらでの利用も検討してみるのがいいだろう。
そしてもう1つ、iPhoneを安く購入する方法となるのが「整備済み製品」を購入することだ。
整備済み製品とは、状態のいい中古品や新古品などを修理したり、クリーニングしたりして再生し、販売元が一定の保証を付けて販売するもの。中古品の一種ではあるが状態は良く保証もある上、各種補償サービスへの加入も可能なことが多いことから、新品並みの安心感が得られるのがポイントだ。
しかもiPhoneは高額なだけに性能が高いモデルが多いので、「Apple Intelligence」など最新機能にこだわらなければ多少古い機種でも快適に利用できるし、何より整備済み製品は端末購入プログラムと違って端末を返却する必要がない。それだけに、iPhoneを安く購入したいなら旧機種の整備済み製品を選ぶのも1つの手といえるだろう。
一例としてNTTドコモがオンラインで販売している整備済み製品「docomo Certified」を確認すると、「iPhone 14」の128GBモデルが最も状態の良い「A+」で8万8000円。新規契約時には「5G WELCOME割」で4万4000円の割引が適用され4万4000円で購入できるし、12回から36回までの分割払いも可能だ。
●Androidも加えれば選択肢も多いが、注意点も
ここまでiPhoneを購入する場合について説明してきたが、子ども側がiPhone以外、要はAndroidスマートフォンでもよいというのであれば話は大きく変わってくる。AndroidスマートフォンはApple以外の多くのメーカーが提供しているため、比較的安価ながら性能が高い、コストパフォーマンスの高いスマートフォンの選択肢が格段に多いからだ。
実際、性能は中間クラスとされる6〜8万円くらいのスマートフォンの中でも、従来と比べれば性能が高いモデルは多い。最も良く知られるところであれば、米Googleの「Pixel」シリーズの「a」が付くモデル、現行モデルであれば「Pixel 8a」がそれに当たるだろう(Pixel 9aも発表済みだが日本での発売時期は現時点で未定)。
Pixel 8aのGoogleストアにおける販売価格は7万2600円だが、それでいて1つ前のフラグシップモデル「Pixel 8」シリーズと同じチップセットを搭載しているのでコストパフォーマンスは高い。モデルチェンジの時期が近いだけに購入タイミングとしては悩ましい所もあるが、7年のソフトウェアアップデートを保証するなど、今から購入しても長く利用できる性能は持っているので安心だ。
しかもPixelシリーズの「a」モデルは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのメインブランドだけでなくサブブランドでも取り扱われることが多い。販路が広く購入しやすいこともお勧めポイントとなっている。
また販路は限られるが、KDDIのau・UQ mobileブランドで販売されている中国Xiaomiの「Xiaomi 14T」なども、お勧めしやすいモデルといえる。なぜなら5万7300円と6万円を切る価格ながら、ライカカメラと共同開発した3眼カメラを搭載するなど、カメラを中心として高い性能を誇りコストパフォーマンスが非常に高いためだ。チップは台湾MediaTekの「Dimensity 8300 Ultra」を使っており、Pixelが苦手なスマートフォンゲームも、快適にプレイできるとされている。
一方で、一括価格で3万円台、あるいはそれを切るようなエントリークラスのAndroidスマートフォンを、子どもに持たせることはあまりお勧めしない。安い機種は性能が低いことが多く、子ども側が不満を募らせやすいためだ。
先にも触れたが、子ども世代は最もスマートフォンを利用するだけに、最初に手にしたスマートフォンへの愛着も強くなる。同じ機種を長く、愛着を持って利用してもらった方が親側としてもトータルコストを抑えやすいだけに、これまでの情報を参考にしながら長期的目線に立ち、親子で話し合いながら満足のいく端末選びをして欲しい。