全国でタイヤ脱落事故が続発しています。長野では走行中の車からタイヤが外れ、4人が軽傷。原因はナットの締めすぎや緩みだと言われています。タイヤの交換シーズンとなるいまだからこそ、タイヤ交換には注意を払いましょう。
タイヤ交換時はナットを規定の「締付トルク」で締めることが重要! 最近、全国各地でタイヤの脱落事故が相次いでいます。
外れたタイヤが周囲の人に当たれば大事故にもつながりかねません。
一体どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
2025年4月27日、長野県長野市内の県道において走行中の普通乗用車から後輪2本が外れ、そのうち1本のタイヤが近くのたいやき店に並んでいた人の列に衝突する事故が発生しました。
この事故により、子どもを含む4人が病院に搬送されましたが、いずれも軽傷だったということです。
クルマは長野市内の自動車販売店のもので、事故当時は31歳の男性従業員が運転していました。タイヤの後輪2本はほぼ同時に外れたとみられており、警察では整備不良の可能性もあるとして、タイヤが脱落した原因を詳しく調べています。
実はこのようなタイヤの脱落事故は全国で相次いでおり、4月20日には北海道小樽市の道路上で走行中のクルマから左後輪が脱落する事故も起きています。
タイヤの脱落によって車体の下部が道路に接触しクルマの一部が損傷したものの、周囲の人に怪我はありませんでした。
また脱落したタイヤのナットはすべて外れており、運転手は「3日前に自分で冬タイヤから夏タイヤに交換した」と話しています。
さらに2023年11月には北海道札幌市の市道において、改造された軽自動車からタイヤが外れ、歩道にいた当時4歳の女の子に衝突する事故が発生し、女の子は今でも重体の状態が続いています。
このようにタイヤの脱落事故はその時々の状況によって死傷者が出るなど重大事故につながる危険性があり、各ドライバーが平素から注意すべきといえるでしょう。
なおタイヤ脱落の発生原因としては、タイヤのホイールナットが適切な強さで締められていなかったり、ボルトやナットのサビなどが清掃されていなかったりと、タイヤ交換時の作業の不備が指摘されています。
意外と知られていませんが、タイヤのナットは緩すぎても締めすぎてもダメで、規定の締付トルク(ねじを回す際に必要な力)で締めることが肝要です。
これはナットが緩いのはもちろん、締めすぎるとボルトやナットが破損してタイヤが脱落する可能性があるためです。
たとえばトヨタ「プリウス」の場合、ホイールナット締付トルクは標準タイヤ、応急用タイヤともに103N・mと決まっています。
クルマの締付トルクは取扱説明書に記載されているため、自分でタイヤ交換をおこなう際はトルクレンチを使って適切な強さでナットを締めるようにしましょう。
仮にトルクレンチが無く、車載のレンチでナットを締める場合は、最後に体重をかける程度にとどめ、足でレンチを蹴ったり何度もレンチに乗ったりして必要以上に締める行為はやめましょう。
なおタイヤ交換をする際、エアジャッキだけで車体を支えて作業するする人がいますが、これは危険な行為です。エアジャッキの空気が抜けて、車体が落ちることで怪我をする可能性もありますので、タイヤ交換時には必ず「ジャッキスタンド(リジットラック)」で車体を固定するようにしましょう。
加えて、タイヤ交換後もナットの緩みを確認するなど、日常点検・定期点検をすることが大切です。
特に「左後輪」は右左折時に負荷がかかりやすく、また道路が排水のため左に傾いていることもあって、4本あるタイヤの中で最も脱落しやすいと言われています。
走行中に異音がしたり、クルマが傾いたりするような状況があれば、ただちにクルマを安全な場所に停車し、専門業者などに点検してもらいましょう。
もしタイヤが脱落し、周囲の人を死傷させてしまった場合、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)として7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金を科される可能性があります。
また道路交通法第62条に規定する「整備不良車両の運転禁止」に違反したとして、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金を科されることも考えられるほか、クルマの改造によってタイヤ脱落につながった場合は道路運送車両法にも抵触するおそれがあります。
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今の時期に冬タイヤから夏タイヤへ交換する人もみられます。
ユーザー自身でタイヤ交換をする際にはナットの締付具合に注意するほか、交換後も異常がないか定期的に点検することが重要です。