俳優の木村多江が3月28日、自身がナビゲーターを務める「大阪中之島美術館」(大阪市北区)で開催される回顧展『生誕150年記念 上村松園』の内覧会に登場。「大好き」と明かす画家・松園の魅力を語った。
■ 「もちろん絵には到底適わないですが…」着物姿で登場美人画の第一人者として知られる京都生まれの画家・上村松園の生誕150年を記念し、大阪の美術館で初開催となる同展。重要文化財『母子』『序の舞』をはじめ、60年の画業の初期から晩年まで、気品あふれる女性像の数々100点以上を鑑賞できる。
艶やかな着物姿で登場した木村は「上村松園さんと言えば美しいお着物。もちろん絵には到底適わないですが、いちファンとして絵の中に入りたいなという気持ちで、絵のようなぼかしのあるお着物に致しました」と、作品をイメージした着こなしでにっこり。
大好きな画家の音声ガイドを務めたことがうれしく、絵の見方が変わって新たな発見と感動があったという。特に印象的な作品について「亡くなったお母様を想って描いた作品はぐっと心に響くものがありました。母親が赤ちゃんを抱っこしている『母子』は、お母様が自分をきっとこう育ててくれたのではないか、という思いをこめて書いてらっしゃるんだな」と、松園自身に迫ることで「絵がぐっと私の近くに来てくれた」と感じたそう。
また、俳優としても影響を受けたといい「『花がたみ』など、狂気が感じられる女性が印象的。心の乱れがすごく純粋に感じて、悲しみや切なさがあるからこそ人間で、それが美しく、その先に狂気があるように描いたのではないかと感じます。私も分かりやすい『狂気』『嫉妬』ではなく、心の中のうごめいている心を大切に演じていけたら。役者としての心構えをいただいた気がしました」と明かした。
作品の見どころについて「お着物の色・柄合わせ、透けている素材の描き方も素敵ですし、白い襟のように見えて細かく地紋が描かれているものも。作品によって描き分けられている眉毛や髪の毛の線も美しいですね」と熱弁し、「松園さんの絵は月が描いてないのに月の光を感じたり、風が吹いているようだったり、温度も感じられる。ご覧になった方がその絵のなかに入ったような気持ちで楽しんでいただけたら」と呼びかけた。
同展の開催は6月1日まで。前期(〜5月11日)・後期(5月13日〜)で作品の入れ替えあり。時間は朝10時〜夕方5時(入館は閉館30分前まで)。料金は一般1800円ほか。音声ガイドの貸し出しは1台650円。
取材・文・写真/塩屋薫