世界が注目する「火山の見張り台」 中国・長白山観測所

 【新華社長春5月4日】中国北東部の吉林省にある長白山。山麓から上がっていくと、緑の芽吹いた春の風景が雪景色に変わっていく。中腹に見えてくる3階建ての小さな建物では、火山活動の観測員らがモニターの波形に目をこらし、地下深くからの信号を注意深く探している。

 長白山は、噴火を何度も繰り返して形成された「複成火山」で、噴火の可能性が中国で最も高い火山とされる。946年に起きた「千年大噴火」は有史最大の噴火の一つとされ、1万キロ離れたグリーンランドまで火山灰が達したという。

 1990年代中期、中国のベテラン火山学者たちが連名で、火山活動に対する予知・研究能力を高めるため、長白山での日常的な火山観測活動が急務だと提言。中国地震局と吉林省政府により99年に設立されたのが「長白山天池火山観測所」だ。

 最初の観測所は、山頂のカルデラ湖「天池」からわずか3.5キロの地点につくられた。その後、観測範囲を継続的に拡大し、現在は山麓の中央ステーションと複数の観測所からなる体制を構築。長白山の北、西、南の3斜面をカバーし、職員も3人から10人に増えた。 

  孔慶軍(こう・けいぐん)所長によると、観測所は長白山地区の火山活動の状況について、20年以上にわたる連続的な地震、流体、ひずみのデータを蓄積。「長白山は噴火するか」という問題に精度の高い判断が下せるようになった。地下マグマの活動は2002〜05年に活発化したが、現在は「静穏状態」だという。

 中国政府の継続的な投資により、観測技術もますます高まり、衛星観測、ドローン観測、地上観測などさまざまな手段に基づく観測体制が形成されている。孔所長によると、火山予知システムのさらなる高度化も進行中で、観測所は18カ所に増やされ、潜在的な火山活動の識別や予知のための人工知能(AI)に基づく観測・予知プラットフォームも構築される計画だ。

 同観測所は20年余りを経て、中国で最も大きく、観測手段が最も整った火山観測所に成長した。中国の火山・地震予知と防災対策を支えるだけでなく、世界の火山研究の見本ともなっている。日本、イタリア、ロシアなどの著名な専門家や火山観測機関とも長年の協力関係を築いており、関連専門家が中国を訪れる際に必ず立ち寄る場所となっているという。(記者/王帆、孫逸軒、張文爃)

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