異例の早さ…岩手・奥州市の新工業団地、半導体活況で全区画完売

岩手県奥州市の新工業団地「江刺フロンティアパークII」の分譲12区画が完売した。同市との間で進出先が立地調印を結んだ。2023年3月に調印した東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(山梨県韮崎市)を皮切りに、半導体関連4社の進出が決まった。半導体市場の活況を受け、半導体製造装置や、同装置に組み込む各種機器などを早期に増産するのが各社の狙いだ。(編集委員・大矢修一)

24年10月に全体の造成を終えた江刺フロンティアパークIIの分譲面積は約17・6ヘクタールで、市は全12区画を整備した。1区画の面積は0・3―9・5ヘクタール。奥州市は1月にフジキン(大阪市北区)と立地調印を交わし、分譲する全区画を完売した。国内で半導体分野の設備投資が継続する中、市は「(新工業団地は)タイミング良く分譲できた」(商工観光部企業振興課)と異例の早さでの完売に驚きを見せる。

新工業団地には、東京エレクトロンテクノロジーソリューションズをはじめ、同社を主要顧客とする内外テック、ミラプロ(山梨県北杜市)、フジキンが集う形になった。いずれも関連会社を含め既に奥州市に進出した企業が新工場を設けることになった。新工業団地内で各社が投じる総投資額は計300億円以上。雇用の計画も計1400人規模が見込まれる。

先行して用地の引き渡しを受けた東京エレクトロンテクノロジーソリューションズは、同団地で最大区画を取得。物流倉庫を含めた工場棟の建設に着手した。現時点では25年から28年8月ごろまでの間に、各社が新工場の操業開始をそれぞれ計画する。

奥州市役所でのフジキンとの立地協定式後の会見で、倉成淳市長は「今後、新工業団地に立地した企業の要望に対応していきたい」とし、立地企業の支援体制を強化する姿勢を示した。

新工業団地を取り巻く社会基盤の整備に加え、今後は外国人の採用増などによる進出先のダイバーシティー環境整備の進展に伴う各種対応も課題になってくる。

例えば、フジキンの場合、奥州市内の東北工場では、約370人の従業員のうち外国人が約100人を占めるという。現時点で新工場の操業開始は28年8月ごろを見込んでいる。同社は今後、奥州市での外国人従業員が増えていくことを想定する。

こうした進出企業の状況も踏まえ、奥州市は庁内横断により、将来の外国人の増加を見据えた生活面などのサポートに進出企業と取り組む方向だ。また、市は企業の新たな進出ニーズに応えるための次期工業団地の選定にも着手しており、さらなる産業集積を視野に入れている。

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