TPRはカーボンナノチューブ(CNT)を添加し発電効率を高めた摩擦発電シートを開発した。シートの高誘電化・薄膜化により効率良く発電できる。自動車のエンジンやモーター、タイヤなど振動部で発生する未利用エネルギーを回収・発電できる。車載センサーの電源などでの活用を想定。環境負荷低減につながる技術として自動車メーカーなどに採用を働きかける。
摩擦発電シートは高い伸び率を持つCNTの特性を生かし、正極・負極の2種類のシート間の伸縮差による摩擦で発電する。今回、タイヤやホイールなど15―50ヘルツの高周波数域の振動エネルギーを回収しプラスマイナス50ボルト以上の電力を生成した。整流化して近距離無線通信規格「ブルートゥース」通信を可能にした。
発電シートは誘電率や面積が大きく、薄膜化するほど発電効率が高くなる。ゴム素材にCNTを配合することで厚さを約0・2ミリ―0・3ミリメートルと薄型化。高い耐久性を持つため屋外での長期利用が可能だ。電極に合わせてCNTの誘電率の調整や摩擦発電に最適なCNT、添加剤を配合・設計した。
CNTは炭素で構成する筒状のナノ素材。軽量・高強度が特徴で、強度はダイヤモンドの2倍、重さはアルミニウムの半分、引っ張り耐性は鋼鉄の100倍、電流密度は銅の1000倍と優れた特徴を持つ。さまざまな材料に添加することで機能を向上できる。
TPRは新規事業の一つとして2017年にCNTの研究開発を開始。子会社のTPR工業(山形県寒河江市)で素材を生産し、分散液やヤーン(糸)、温度差で発電する熱電発電素子などを開発している。「捨てられてしまう振動エネルギーを有効活用できることを訴求したい」(先行開発部)考えだ。