コアは半導体材料…東証プライムに来月上場、JX金属が描く成長戦略

JX金属の東京証券取引所プライム市場への新規上場が承認された。上場予定日は3月19日。想定売り出し価格は862円で、時価総額は約8000億円になる見通し。2024年12月に上場した半導体大手キオクシアホールディングス(HD)と同規模の大型上場となる。親会社であるENEOSホールディングス(HD)から独立することで意思決定を迅速化し、半導体や情報通信材料など先端素材分野を中心とした成長戦略を描く。(岡紗由美)

ENEOSHDはJX金属の発行済み株式を最大で5億3493万4100株売り出し、保有比率を42・4%に引き下げる。JX金属はENEOSHDの完全子会社から持分法適用会社に移行する。

ENEOSHDの田中聡一郎副社長はJX金属との今後の関係性について「ENEOSグループのポートフォリオ管理から外れて、JX金属の資本政策の中で機動的にマーケットに対応した投資も含めた行動ができる。完全に独立して運営していくことになる」と説明する。JX金属はこれまでのENEOSHDの金属セグメントという位置付けから独立し、独自の成長路線を進むことになる。

ENEOSHDの田中副社長はJX金属が上場により「機動的にマーケットに対応した投資も含めた行動ができる」と説明した

JX金属は従来の銅製錬や銅鉱山など金属事業を事業基盤とする一方で、競争力の高い半導体材料などの事業を成長戦略のコアに位置付ける。同社は半導体に配線形成に使う金属薄膜材料「スパッタリングターゲット」で世界シェアの約6割を占める。林陽一社長は24年6月の事業説明会で「半導体の薄膜材料ではターゲットメーカーというイメージがあるが、半導体金属材料の総合メーカーを目指したい」と説明した。

半導体材料の設備投資を積極的に進めており、アリゾナ州メサにはスパッタリングターゲット表面の機械加工などを行う新工場を完成させ、25年に量産を始める。茨城県ひたちなか市では約1500億円を投じて「ひたちなか新工場」を建設し、25年度中の試運転開始を予定している。上場を機に同分野の設備投資や技術開発を加速させる。

JX金属は半導体セグメントを中心に26年度までの3年間で約2700億円の投資を計画している。半導体用ターゲットをはじめ、次世代半導体向け化学気相成長法(CVD)・原子層堆積法(ALD)材料を新たな収益の柱とする取り組みも推進している。JX金属がマーケットから評価されるには、半導体市場の成長を上回る事業・利益成長を描けるかどうかがカギとなる。


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