世界初のモーターサイクル型の量産ストロングハイブリッドモデル(カワサキモータース調べ)として開発した。当社は電動化の要望を受け電気自動車(EV)モデルの「ニンジャe―1」も発売している。EVは都市部の移動ではメリットがあるものの、長距離ではまだ内燃機関が必要になってくる。今回のモデルはEVと内燃機関の良いところをとった。
2輪車のレイアウトは元々余裕があるわけではない。操縦性や軽快なハンドリングを考慮するとコンパクトにしていく必要があるが、そこにモーターやバッテリーを配置していくパッケージングに苦労した。モーターやエンジンを協調させながら制御する技術開発のほか、ヒートマネジメントなども大きな課題だった。エンジンやモーターの出力、重量のバランスを考慮し工夫しながら、サイズを通常の内燃機関と同等にすることができた。
2輪車でハイブリッドという新しいカテゴリーだが、カワサキのコンセプトである「Fun to Ride」もしっかり考慮した。2輪車にファン(楽しさ)要素を求める人や新技術、環境にも興味がある人をターゲットに据える。
大きな特徴としてエンジンの出力をモーターでアシストする「イーブースト」という電動化ならではの機能を搭載する。スポーツハイブリッドモードで使用可能で、走行時以外に発進時にも使える。スロットルを開けるだけでアシストが入るため、誰でも簡単に操作できる。これにより1000cc並みの発進加速を実現した。5秒間の加速機能だが、エンジンの出力も加わるため十分かつ今までにない性能を体感できる。
操作のしやすさでいえばクラッチレバーがなく、モーターやエンジンを制御する新技術で対応するため安心して乗車してもらえる。ギアも電動化しスイッチで操作でき、オートマチックモード搭載による自動シフトなど使いやすさを高めた。
走行モードはモーターだけで走行可能なEVモード、モーターとエンジンを協調させて力強く走るスポーツハイブリッドモード、燃費の良い走行ができるエコハイブリッドモードの三つを用意した。早朝の住宅街はEVモードで走行し、幹線道路からエンジンに切り替え、ワインディングを楽しむ場合はスポーツモード、といった使い分けを想定する。
イーブーストの加速やモーターからエンジンに切り替わる部分は、今までにないファン要素として特に体感してほしい。
【記者の目/駆動装置多様化のけん引役に】
三つの走行モードで場所を問わず快適に走行可能で、電動化ならではの機能で新たな乗り心地を体感できる訴求力の高い1台となった。カワサキモータースはハイブリッドのほか、水素エンジンバイクも2030年代初頭の発売を目指し開発を進めている。ファン要素を維持しつつバイクのパワートレーン(駆動装置)多様化のけん引役としての活躍が期待される。(間瀬はるか)
【関連記事】 EVでも成長を目指すオイルシールメーカーの圧倒的強さ