防衛省が「自衛隊海上輸送群」を新編する狙い

防衛省は24日付で「自衛隊海上輸送群」を新編する。南西諸島の島しょ部に敵対国が侵攻する事態に備え、阻止に必要な部隊や装備を南西地域に迅速かつ継続的に輸送するのが狙い。陸上自衛隊と海上自衛隊の共同部隊として、本部は海上自衛隊の呉地区に置く予定。部隊は群司令部、第1海上輸送隊、第2海上輸送隊があり、第1と第2海上輸送隊にはそれぞれ専用の輸送艦が配備される。合計人数は当初100人でスタート、2027年度までに200―300人体制にする計画。

海上自衛隊には全長178メートル、排水量8900トンの「おおすみ型」輸送艦3隻がある。ただ大型艦は南西諸島の中で接岸できる場所が限られ、奄美大島から与那国島まで約1200キロメートルもある南西地域内の特定場所に兵力を緊急輸送することは難しい。航空機による輸送も同様だ。第1海上輸送隊と第2海上輸送隊はこのネックを補うもので、それぞれ中型クラスの輸送艦(LSV)と小型クラスの輸送艦(LCU)を装備。LSVは本土から南西諸島への兵力や物資輸送、LCUは南西諸島間での輸送任務を想定する。

LSVは戦車を含む車両を数十両、LCUは十数両の車両を輸送できるという。LCUは砂浜に乗り付けられるビーチング仕様で、居住区の前方に貨物倉を有し、荷役は船首に設けたランプを通じて行う。自前の輸送艦を持つ専門部隊の発足で、有事の際に部隊のより迅速な展開が期待できる。海上輸送群の艦艇は当初はLSVとLCUが1隻ずつだが、27年度には小艦艇も含め約10隻体制に増やす計画だ。

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