対策を講じているのに改善しない場合は腸の形に問題あり【便秘の原因「ねじれ腸」と「落下腸」】#1

【便秘の原因「ねじれ腸」と「落下腸」】#1

 便秘の悩みを抱えているみなさんの中には、「便秘対策をいろいろ試しているけど、一向に改善しない」という方もいるのではないでしょうか? そういった便秘の場合、もしかしたら「腸の形」に問題があるのかもしれません。そういった腸を、私は「ねじれ腸」「落下腸」と呼んでいます。 

 よく知られている便秘の原因には、主に次のようなものがあります。

①便を作るために必要な成分(食物繊維や水分など)が不足している

②糖尿病などの病気で自律神経が乱れている

③精神的・肉体的ストレスで大腸がけいれんして便が出ない(けいれん性便秘)

④便秘薬の不適切な長期間使用で腸が疲弊して動かない(弛緩性便秘)

⑤便意の我慢を繰り返したことで便意を感じにくくなっている(直腸性便秘)

⑥服用している薬の副作用

 しかし、これらが該当しない便秘があるんです。私は内視鏡医師として3万人を超える方の腸を見てきたのですが、経験を通して分かったのは、腸の形や性質が人それぞれであること。ある時、母校の慶応義塾大学の教授と准教授にお願いして30人のご献体を解剖して腸の形を検討させていただいたことがあります。その時、教科書に載っているような腸の形の人は20%ほどで、ねじれ具合が多様であることに驚愕しました。

「教科書に載っているような腸の形」とは、大腸の4つの部分「上行結腸」「横行結腸」「下行結腸」「S状結腸」が四角形になっているもの。一方、日本人の腸は、横行結腸と下行結腸のつなぎ目で2つのループができていたり、S状結腸が逆にねじれて大きなループを描いていたりと、分類すら到底不可能な状態でした。

 ただ、後にドイツのハイデルベルク大学へ客員教授として赴任した時、大腸内視鏡を施行した100人のドイツ人の腸は、ほぼ全員が教科書通りでした。考えてみれば、解剖学の教科書を書いたのは欧米人です。だからドイツ人は教科書通りの腸の形をしている。しかし、日本人はそうではなく、腸の形(ねじれ具合)には個人差がある。それが便秘に関係している。

 次回では、ねじれ腸、落下腸について、もっと突っ込んでお話ししましょう。

(水上健/国立病院機構久里浜医療センター内視鏡部長)

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