ドジャース佐々木朗希“メジャー初勝利”に立ちはだかるメンタルの罠…前回WBCではベンチ裏で涙の過去

 ドジャース・佐々木朗希(23)が日本時間12日、キャンプ地アリゾナ州グレンデールのキャメルバックランチでのガーディアンズ戦にオープン戦最後の登板。昨季のア・リーグ中地区覇者で好打者が揃う打線を相手に4回を1安打2四球無失点に抑え、直球の最速は97.4マイル(約157キロ)をマークした。新人右腕の好投に試合後のデーブ・ロバーツ監督は当初の予定通り、カブスとの日本開幕シリーズ第2戦(19日=東京ドーム)で起用すると発表。指揮官は「山本は初戦、佐々木は2戦目で使う。これがオフィシャル」と明言した。

 日本凱旋を前に無失点でオープン戦を締めた佐々木は下半身の使い方を意識したそうで「前回よりも思うようにいかなかったところもありますし、自分の悪い癖だったりもあった。シーズン開幕前、今のうちに悪いところが出てよかったなと思います」と振り返った。

 佐々木は日本開幕シリーズから帰国し、28日のタイガースとの米国本土開幕後も、ローテの一角を担うことになるが、メジャー初白星を手にするまで時間がかかる可能性もある。

 ド軍は佐々木のような新人投手、特に20代前半でメジャーデビューした若手の先発にはイニング数、球数を厳格に制限するからだ。大谷、ベッツ、フリーマンのMVPトリオが名を連ねる強力打線による援護が期待できるとはいえ、序盤から球数がかさむようなら、いくら勝利投手の権利がかかっていても、容赦なく五回途中で交代を告げられるのがドジャース流だ。

 もっとも、佐々木はメジャーのマウンドや公式球など不慣れな環境の中、オープン戦初登板だった前回5日のレッズ戦は3回で46球(1イニング約15球)と、少ない球数で予定のイニングをクリアした。投球回数、球数制限以上に、ルーキー右腕に立ちはだかるのはむしろメンタルの壁だ。

 これまで佐々木は重要な試合に投げてチームを勝利に導いた経験に乏しいというか、そもそも登板機会がかなり少ない。

 昨年10月1日の楽天戦では勝てばCS進出が決まる重圧の中、1失点完投。チームに2年連続CS進出をもたらした。日本ハムとのCSファーストステージではメジャー10球団のスカウトが視察する中、8回無失点、112球の力投を見せた。

■「しっくりこない」と登板回避

 その一方で故障を警戒してか、いわゆる大事な試合で登板を回避したのは一度や二度ではない。

 古くは大船渡高3年時に、夏の岩手大会決勝の登板を回避した。この時は「故障を防ぎたかった」という当時の監督の判断だったにせよ、佐々木自ら登板を直訴することはなかったといわれている。

 ロッテ時代の2023年7月には脇腹を痛めて離脱。CSに向けて9月10日の復帰登板も含めて3イニングずつ2試合に登板したが、3試合目を発熱でドタキャンしたという。

 ロッテОBが言う。

「数日後に熱は下がったのに当初、ソフトバンクとのCSファーストステージは投げたがらなかったと聞きました。結局、ファーストステージ第1戦に先発して3イニングだけ投げたが、首脳陣に背中を押されて、渋々、マウンドに上がったそうです」

「上半身の疲労」「右上肢のコンディション不良」で2度、登録抹消された昨季はこんなことがあった。

「肘の靱帯が断裂や損傷していれば、それこそ一大事。球団は検査を受けさせたが、異常はなかった。周囲が『なぜ、投げないのか』と気を揉む中、本人は『しっくりこないので』と言ったそうです」(前出のОB)

 こうしたメンタリティーもあってか、経験がない大舞台で、もろさを見せることがある。高校時代はU18で何度も指のマメを潰した。23年WBCでは準決勝のメキシコ戦に先発するも、4回3失点で降板。ベンチ裏で涙を流して悔しがったという。

 首脳陣による配慮もあって故障は防げたとしても、果たして日本開幕戦で結果を残せるのかどうか。

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