【ドジャース㊙選手名鑑】
ムーキー・ベッツ(遊撃手)
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ドジャースが誇るMVPトリオの一角。メジャーリーガーとしては小柄ながら、レッドソックスでデビューした2014年以来、11年間で4度の30本塁打以上、3度の打率3割以上、100打点以上をマークする「小さな大打者」だ。大谷がドジャース入りする前は不動の1番打者だったが、昨季後半戦から2番に配置転換。大谷との1、2番コンビは出塁率、長打力、勝負強さから「最強」の呼び声も高い。
昨季は6月に死球による左手骨折で2カ月間戦列を離れたものの、ポストシーズンではメッツとのリーグ優勝決定シリーズで2本塁打を含む9打点と大爆発。22年、23年とポストシーズンではブレーキ役になっており、「10月に弱い男」の悪評を一掃した。
守備では昨年、本人の強い希望で外野から遊撃にコンバート。しかし、守備範囲が狭く、悪送球も多いため評価は決して高くない。骨折から復帰後は過去に5年連続でゴールドグラブ賞を獲得した右翼に戻ったが、今季は再び遊撃にコンバートされることがゴームスGMから発表されている。
760万ドルで購入したというロスの豪邸にはプール、ジムはもちろん、バスケットボールのコート、ボウリングのレーンまで完備され、オフにはベッツ邸でバスケットボールに興じる大谷夫妻、山本の姿がSNSに投稿されて話題になった。
類いまれな身体能力は趣味のボウリングでも発揮され、これまでに10度以上も300点のパーフェクトゲームを達成。引退後は「プロボウラーになる」と話したこともある。
■32歳 遊撃手 175センチ 81キロ 右投げ右打ち
2500万ドル(約37億5000万円)
116試合 打率.289 19本塁打 75打点
今年1月に3年1250万ドル(約18億7500万円)でポスティング移籍した三拍子揃った韓国人内野手。
韓国プロ野球キウム・ヒーローズで8年間プレーし、通算打率.304、37本塁打、386打点。2021年から4年連続打率3割をマークした。二遊間に加え、外野も守れる万能さが売りだ。
大谷と同じ代理人事務所「CAA」と契約しており、昨年12月に米国に滞在した際にはトレーニングジムに大谷も居合わせ「応援してるよ」と励ましを受けた。韓国メディアによれば、エンゼルス、マリナーズからはド軍を大幅に上回る3年2000万ドル(約30億円)を提示された。最終的にド軍を選択したのは大谷の存在があったからだという。
■26歳 二塁手 170センチ 79キロ 右投げ左打ち
283万3000ドル(約4億2500万円)
127試合 打率.326 11本塁打75打点
大谷、ベッツと並ぶMVPトリオのひとり。リーグを代表するスラッガーだ。メジャー通算343本塁打で、20本塁打以上が11回に30本以上が3回。長打力がある上、通算打率3割ジャストと好打者でもある。が、打撃技術が優れているだけではない。強靱な心身があればこそと、そう思わざるを得なかったのが昨シーズンだ。
三男のマックス君がギラン・バレー症候群で人工呼吸器を付けて入院することになり、7月27日から8月4日まで戦列を離れた。「毎試合出場することが自分に与えられた使命」と公言し、2018年以降は全試合の99%に出場した鉄人が受けた精神的ダメージは相当なものだったに違いない。幸い病状は快方に向かい、事なきを得た。
9月27日のホーム最終戦では右足首を捻挫。オフに手術をしたほどの重症だったうえ、肋骨骨折を抱えながらワールドシリーズは全試合に出場。ヤンキースとの第1戦で延長十回裏にサヨナラ満塁本塁打を放つと、第2戦から3戦連続本塁打で4年ぶりの世界一に大きく貢献。ワールドシリーズMVPに選出された。逆境をはね返す精神力はハンパじゃない。
本拠地ロサンゼルスの年明けの山火事では、ロスの消防財団などに計30万ドル(約4500万円)を寄付。救世軍の熱心な信者でさまざまなことに気前よく寄付することで知られ、社会貢献活動をするメジャーリーガーに贈られる「ロベルト・クレメンテ賞」の受賞は時間の問題といわれる。
アナハイム近郊で生まれ育ったことから、幼少時からエンゼルスファン。ジャマイカ出身の選手で唯一、2000安打を達成したエンゼルスの元主砲、チリ・デービスが憧れの存在だった。
35歳 一塁手 196センチ 99キロ右投げ左打ち
2700万ドル(約40億5000万円)
147試合 打率.282 22本塁打 89打点
選球眼の良さとパワーを備えた選手だ。昨季は50個の四死球を選び、出塁率.358。メジャー9年間で出塁率が3割を切ったのは1年目のみ。打率が1割台だった3シーズンにしても、出塁率は3割を超えた。とりわけ出塁率を重視するアスレチックスのビリー・ビーンGM(当時)が2012年のドラフト5巡目に指名した選手だけのことはある。これまで30本塁打以上が4回とパワーも備えている。昨季のプレーオフは地区、リーグ優勝決定シリーズで計3本塁打した。今季が2年契約の2年目。守備範囲が狭く、グラブさばきも稚拙だけに、来季以降もドジャースでプレーするためには、打って打って打ちまくる以外ない。
34歳 三塁手 183センチ 97キロ 右投げ左打ち
1200万ドル(約18億円)
73試合 打率.232 15本塁打 48打点
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(友成那智/スポーツライター)