大谷の躍動にニューヨーカー悲鳴…ドジャースは名門ヤンキースに大差つけ米球界の新盟主に

 待望の一発は出なかった。しかし、今季初安打となる痛烈な右前打を放つと、勝ち越しのホームを踏んだ。

 大谷翔平(30=ドジャース)が昨18日、東京ドームで行われたカブスとの開幕戦で打って走って勝利に貢献した。

 ドジャースが1点を追う五回だった。1死一塁で、大谷にこの日3度目の打席が回った。

 マウンド上は将来のエース候補といわれるメジャー2年目のブラウン(25)。カウント0‐2からの4球目、高めのナックルカーブを振り抜くと、打球速度173キロの痛烈なライナーが右前で弾んだ。これで一、三塁。続くエドマン(29)の左前打で同点に追い付くと、相手のミスもあって大谷は2点目のホームを踏んだ。

 九回の5打席目は今季初の長打となる右翼線二塁打。打球速度は右前打を1キロ上回る174キロの痛烈な当たりだった。エドマンの二ゴロで三進すると、続くテオスカー・ヘルナンデス(32)の左前打で4点目のホームイン。この日は5打数2安打2得点だった。

「バッティングで緊張することはないのに、第1打席は珍しく緊張していた。その後の打席は対処できたかなと思う。(体調不良の)ムーキー(ベッツ)は昨日、帰ったが、きょうチームが勝ったので、士気が高まると思う」とは試合後の本人だ。

 現在、米国でスプリングトレーニングをしているメジャーリーガーたちも今回の東京シリーズを注目している。特派員のひとりがこう言った。

「東海岸のフロリダでキャンプを張っている球団でも、クラブハウス内のテレビではMLBネットワークによる東京シリーズのダイジェストが流れているほど。ドジャース対巨人戦のハイライトシーンに見入っている選手もかなりいました。とにかくドジャース人気はメジャーサークルの中でもグンを抜いている。日本の報道が大谷とドジャースに集中しているためか、球団によっては日本人選手をカバーする日本メディアが1人ないし2人なんてこともある。話題にならずにイジケている日本人選手も中にはいます」

 飛ぶ鳥を落とす勢いのドジャースとは対照的に、凋落ぶりが著しいのがヤンキースだ。

NYメディアのバッシング

 エースのコール(34)は先週、右肘靱帯を修復するトミー・ジョン手術を受けて今季絶望。コールは昨オフ、今季以降の契約をいったん破棄したものの、ヤンキースが4年216億円で再契約して引き留めたばかり。昨年も右肘の炎症で出遅れているだけに、「ヤンキースはなぜ、わざわざ大金を払って再契約する必要があったのか?」とニューヨークメディアにたたかれている。

 昨年、15勝して新人王を獲得したヒル(26)は右広背筋痛のため6週間ノースローで開幕絶望。通算429本塁打のスタントン(35)は両肘痛で開幕どころか、復帰のメドすら立っていない。

「ヤンキースのキャンプやスプリングトレーニングを取材するメディアの数は、同じフロリダにいるメッツより少ないくらい。ヤンキースの注目度がここまで下がったのは記憶にない」(同)

 ヤンキースは大谷が2017年のポスティングでエンゼルスを選んだ際、面談に進めずヒジ鉄を食らったのがケチの付き始め。本塁打王を獲得してFAになった23年オフは争奪戦にも加わらなかった。「球団内に投打の二刀流を使いこなすだけのプランがなかったから」(ア・リーグのスカウト)といわれる。大谷はヤンキースが獲得に乗り出していた山本由伸(26)のドジャース入りにもかかわっていた。

 一方のドジャースは昨年のワールドシリーズでヤンキースを下して4年ぶりの世界一に。大谷の活躍があればこそだ。オフもサイ・ヤング賞2度のスネル(32)を筆頭に後払い契約を連発して実力あるスター選手をかき集めているのは大谷の獲得が大きい。

 1000億円超契約の97%が後払いなのは、それだけ借金を抱えているのと一緒。大谷獲得に山ほどつくった借金を返済するためには、さらなる借金を重ねて勝ち続けることによって営業面の利益を上げ続ける以外に方法がないからだ。ドジャースの後払いは総額1600億円超に膨れ上がったともいわれる。グラウンドでの活躍はもちろん、結果として大谷はチーム編成にも大きく貢献しているのだ。

 メジャーきっての老舗名門球団であるヤンキースの斜陽化と、ドジャースが米球界の新たな盟主になった裏には大谷の存在がある。ニューヨーカーの悲鳴が聞こえてくるようだ。

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