ドジャース佐々木朗希が抱える「危ない数字」…直球苦戦、スライダーはC判定、頼みは無回転スプリット

 19日のカブス戦でついにメジャーデビューする佐々木朗希(23)。

 昨18日にメジャー契約を結んで26人のロースター入りを果たした165キロ右腕には、期待と不安の声が入り混じっているのが現状だ。

 今回の開幕シリーズの先発はキャンプ中に二転三転した。ロバーツ監督はキャンプ開始直後に開幕2戦目の登板を示唆していたが、その後の実戦形式の登板の内容などを考慮したうえで、一旦「白紙」とした。3月5日、12日のオープン戦の登板を経て、ようやく正式決定したものの、来日中の米メディア関係者は、「現場やフロントが即決しなかったのは当然です」と、こう続ける。

「佐々木は昨オフ、各球団との入団交渉時に、『昨年、球速が落ちた理由と、その対策』という“宿題”を課した。平均球速は23年の159.3キロから昨年は155.9キロに低下。2月下旬のホワイトソックスマイナーとの実戦形式の登板では平均145キロしか出なかった。ロバーツ監督は地元紙に対して、『予想通りだ。まだ未完成だと感じている』と話すなど、マイナースタートを検討しているフシもあった。5日のオープン戦では平均157キロ、12日は同154キロをマークして、ようやくゴーサインが出たものの、肝心のボールの質はイマイチと聞きました。あくまでオープン戦とはいえ、日本で良かったころと比べても、まだまだ本来のデキには達していないのが実情です」

 実際、佐々木の直球の質に関するデータを見てみると、確かにまだまだ物足りないといえる。

 MLBの「ベースボールサバント」によれば、直球の平均回転数は5日のレッズ戦が2022回転、12日のガーディアンズ戦も2021回転だった。ロッテ時代の21年に完全試合を成し遂げた試合の2450回転、23年WBC出場時の2351回転と比べて、大幅に減っている。

 さらに12日の試合では、直球を27球投じて空振りはゼロ。球質の低下もあってか、昨年は空振り率も23年の約12%から約7%に減った。前出の米メディア関係者が言う。

明かな質の低下

「日米のボールの違いを差し引いても、球速や回転数に加えて気になるのは、ボールのノビを示す指標の一つといわれる『縦の変化量』が減っていることです。23年WBC時は44センチあったのが、5日、12日の平均は34センチに留まっている。回転数が落ちていることも合わせると、良い状態と比べて、ボールがやや垂れ気味になっているのです。シュート変化も大きめですから、長打を浴びるリスクはある。実際、渡米前から直球の質の低下を指摘をするスカウトもいた。しかも、スライダーは2000回転に満たない球が多く、米誌『スポーツイラストレーテッド』(電子版)は『C』評価を下しています」

 例えば、この日の開幕戦で今季初勝利を挙げた山本由伸も、直球の回転数に特筆すべきものはない。昨年は2262回転で、MLB平均の2299より少ない。この日も、最高で2338回転、平均すると2200台だが、昨年の縦の変化量の平均はMLB平均と同じ40センチを計測。この日は48センチに達するボールが4球あったように、昨年よりもホップ成分が増えている可能性もある。

 しかも由伸の場合は直球とほぼ同じ球速、回転数ながら鋭く落ちるツーシームなど、他の変化球も豊富で質も高い。

「佐々木は発展途上とはいえ、直球の質を元に戻すまでの間は、スプリットを多投することで乗り越えるしかないという関係者もいます」(同)

 実際、佐々木のスプリットは、多くのメジャー関係者やメディアを驚かせている。平均回転数はわずか518とほぼ無回転。かつてフォークの神様と呼ばれた元中日の杉下茂氏は「ホンモノのフォークは回転しない」と言ったが、まさにホンモノと言えそうだ。

 とはいえ、スプリットを多投すればその分、肩肘の故障リスクが高まる可能性があるだけに、諸刃の剣となりそうだ。

 編成トップのフリードマン編成本部長は先日、米地元放送局の番組で、「正直、もう少し時間がかかると思っていたが、受け取ったレポートの内容は、私の予想を上回っている」と称えていた。果たして、デビュー戦でその期待に応えることができるのか。

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