師匠の“弟”が抱いていた初優勝の悲願を、木っ端みじんに打ち砕いた。
昨23日の千秋楽、ともに3敗の大の里(24)と高安(35)は本割で勝利し、優勝決定戦に臨むことになった。
大の里にとって、高安は師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の弟弟子。これまで何度も優勝を逃しており、今度こそはと息巻く“叔父”を送り出し、入門3年目ながら、3場所ぶり3度目のV。来場所はいよいよ綱とりだ。
高田川審判部長(元関脇安芸乃島)は「来場所の相撲を見てから」と慎重だが、八角理事長(元横綱北勝海)は「早く上に上がってほしい」と期待を隠さない。
今場所は新横綱の豊昇龍(25)が肘や首のケガで、10日目から途中休場。ただでさえ、横綱は「勝って当然」の地位であり、一人横綱となればプレッシャーを一身に背負う過酷な商売。2人になれば重圧が分散され、豊昇龍にとっても悪いことではないだろう。
「相撲協会にとっても、一人横綱は休場した時のデメリットが大きい。横綱は協会の看板。休場は画竜点睛を欠くようなもので、盛り上がりにも水を差す。さらに協会は今年10月にロンドン、来年6月にはパリと、海外公演が控えている。まだ発表されてはないが、それ以外の欧米を中心とした国からも公演の誘いがあるそうです。そこに最高位である横綱が不在、もしくはケガで相撲が取れないという事態は避けたい。一人横綱ならばその恐れもあったが、2人いればリスクも大幅に減る。大の里と豊昇龍、さしずめ『大豊時代』となれば、さらに大相撲も盛り上がる」(若手親方)
もちろん、大の里が昇進すれば、師匠の稀勢の里以来の日本出身横綱となる。これも協会にとっては無視できないだろう。昇進については慎重論も出ているものの、連続優勝で昇進を見送られた大関は皆無。賜杯を掴みさえすれば、その時点で横綱昇進が確定する。
優勝インタビューでは、来場所に向けて「もう一度、引き締めて頑張ります」と言い、昇進への意識を聞かれても「……頑張ります」と、明言を避けた大の里。来場所、賜杯を手にし、文句なしの昇進を決められるか。
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ところで、力士の「金銭事情」とはいったいどのようなものか。一般的に月給制として知られるが、実のところ加算される手当はかなり多い。その上、「タニマチ」からも“ごっつぁん”もある。その驚愕の実態とはーー。
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