卓球・張本智和がトヨタ自動車「入社内定」の裏側…両親の教育観とスポーツ界の不安定要素

 売り手市場の学生たちも羨む「内定」だ。

 昨24日、卓球男子日本代表の張本智和(21)がトヨタ自動車に所属することを発表した。早大人間科学部に在籍中で、4月からは4年生だが、学生を続けながら、嘱託社員としてトヨタに入社。これまで協賛という形でサポートを受けており、「パリ五輪で負けた翌日、落ち込んでいるときにトヨタの方に『次の五輪で期待している』という言葉をかけていただいて、前を向かせてくれた」と自ら〝入社〟を志願したという。

 張本はYouTubeチャンネルの「トヨタイムズスポーツ」にゲスト出演。事前に収録されたトヨタ車の工場見学や本社訪問の映像が流れた。スポーツカーの運転席に座った張本はエンジンの振動に大興奮。「いますぐ免許を取りに行きたい」と目を輝かせ、「免許を取ったら『GRヤリス』を買いたい」と公言し、すっかりトヨタ色に染まっていた。

 言わずもがな、トヨタは日本を代表する超大企業のひとつ。一方で、実業団の卓球部は男子2部で、決して強豪ではない。それでも入社を決めたのはなぜか。

「所属アスリートとなってので、これまで以上に手厚いサポートを受けることができる。最近のスポーツ界は連盟や協会の不祥事や財政難による強化費削減が目立ってきた。卓球をはじめとした多くのアマチュアスポーツが、国やJOCからの補助金で成り立っているため、ちょっとしたことがきっかけで地盤が崩れる危険性がある。競技を続ける選手としては不安で仕方ないでしょう。トヨタであれば、現役引退後もアスリートOB社員として職務に携わるという選択肢もありますから」(卓球関係者)

 抜群の安定感を誇る大企業を選んだ背景には、両親の考えもある。

「張本の両親が安定志向なのも大きい。両親はともに中国人で元プロの卓球選手。その影響で3歳からラケットを握って卓球の英才教育を施してきたが、『1に勉強、2に卓球』が信条で、特に母親は13歳の世界卓球で史上最年少のベスト8入りを果たしたときでさえ『卓球で生きていかなくてもいい』と言っていた。小学校のテストはいつもほぼ満点。両親は『本当は東北大学に行ってほしかった』と、子供の将来を見据えた安定志向の持ち主なのです」(前出の関係者)

 懸命な判断かもしれないが……。

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 日本の卓球界はこの先安泰とは言い難い。長らく卓球界の最前線に立ってきた伊藤美誠がパリ五輪で代表漏れしたように、異常事態が起きているのだ。伊藤はなぜ転落したのか。彼女に何が起きていたのかを紐解くと、日本卓球界のいびつな構造が見えてくる。

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