【大橋秀行】ジェルサレム光った試合巧者ぶり 重岡優大は階級上げてパワー生かせば持ち味生きる

<プロボクシングWBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦>◇30日◇愛知県国際会議場◇観衆2900人

WBC世界ミニマム級王者で同級1位の重岡優大(27=ワタナベ)が王座返り咲きに失敗した。

同級王者メルビン・ジェルサレム(30=フィリピン)に挑戦し、0−3の判定負けを喫した。1年前の24年3月、同じ愛知県で判定負けを喫した際に苦しめられた右ストレートに対応できず、劣勢の展開を覆せなかった。

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ジェルサレムは1年前とは別人のようだった。定評のあるノーモーションの右ストレートに加えて、パンチの見切り、ディフェンスが格段に向上していた。終盤は軽いパンチで流してポイントを取るなど試合巧者ぶりも光った。往年のタイの名王者ウィラポンと西岡の試合を思い出した。

判定は差がついたが、重岡優も悲観するような内容ではない。1発当たれば倒れるような強打の応酬で、最後まで最軽量級とは思えない迫力ある打撃戦を見せてくれた。1回から目の動きや動作でフェイントを掛け合うなどハイレベルな試合だった。

ただ重岡優は3回にアクシデントがあったのかもしれない。グローブで右目を隠すようにガードを高く上げて戦うようになった。鼻血も出ていたので、眼窩(がんか)底骨折の可能性もある。それで相打ちか、打ち終わりをカウンターで狙う作戦に切り替えざるをえなかったのかもしれない。

王座奪還には失敗したが、重岡優には最軽量級には珍しく終盤でもKOを期待させるパンチ力がある。魅力的な選手に変わりはない。減量の負担を減らして、ライトフライ級やフライ級に上げてパワーを生かせば、彼の持ち味がさらに生きると思う。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)

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