「めだかのお寺」ユニーク参拝人気 水みくじ、童謡奏でるパイプ… 福岡県直方市

 「めだかのお寺」として知られる福岡県直方市丸山町の観音寺に、水に漬けると文字が浮かび上がる「水みくじ」や、パイプをたたくと童謡「めだかの学校」のメロディーが奏でられる「音響パイプ」といったユニークな参拝スポットが登場。交流サイト(SNS)で話題となり、参拝や見学客が増えている。発案した大塚誠也副住職(32)は「身近に感じてもらえるよう、お寺も変わらないと」。

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 大塚さんは住職の恵誠(えじょう)さん(59)の長男。東京の大学を卒業し、山梨県などで修行後、2018年に副住職に。「コミュニケーション不足による檀家(だんか)や住民との距離」。宗派や地域に関係なく、寺が抱えていた課題を解消して新たな関係をつくろうと、四六時中アイデアを考えて形にした。こうして生まれてきたものが今、寺に新たな魅力を吹き込んでいる。

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 まずは手水舎。石像のメダカの口から水が流れ出るその脇に、丸めたおみくじが置いてある。開けばほぼ白紙。しかし水に浸すと「吉」「もんだいなし」といった文字が浮かび上がってくる。

 「土鈴みくじ」は観音寺のオリジナル。たらいの中に、大塚さんが色づけした土鈴のメダカとセットになったおみくじがいくつも入っている。小さな釣りざおが用意され、これで釣り上げるという。

 御朱印帳には、大塚さんが手彫りしたゴム印を押印してくれる。デザインは月ごとに変わり、愛らしいメダカに「どんな時もまん丸な心で」「甘くも苦くも人生」といった言葉が添えられている。

 鬼子母神堂の入り口を見上げると、十数センチほどのさい銭箱が梁(はり)に取り付けられ、その下にはバスケットボールのゴールリングネットのようなものが−。「メダカにちなんだたも網です」。さい銭が入らなくても網が拾ってくれる。「願いがかなわなくても網が救ってくれるんです」

 昨年完成したのが「音響パイプ」。工事現場の足場として使うパイプをいろんな長さに切って、36本並べた。1本ずつパイプでたたいていくと童謡「めだかの学校」が響き渡る。構想から約1年かかった。

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 めだか寺として知られるようになったのは、恵誠さんが06年に檀家から約30匹のメダカを譲り受けたのがきっかけ。飼育したり、譲り受けたりしながら、今では40種類以上、産卵期の春から秋にかけては1万匹を超える。

 墓参りの檀家や近隣住民のほか、メダカ鑑賞の人たちも増え、檀家も孫らを連れて来るようになった。「ネットで見た」と県外からも訪れ、2月には観光バスが初めて乗り入れた。

 少しずつ手応えを感じている大塚さん。「小さな命を育てて仏道を伝えていきながら、寺に親しみを感じてもらえたら」

 (原田克美)

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