小池美鈴さん
1年間の連載にあたって、簡単に自己紹介をしておきましょう。私は愛媛県松山市出身です。京都の短大で社会福祉を学び、12年ほど兵庫県西宮市の重症心身障害児施設に勤めました。
阪神大震災後佐賀に移住し、佐賀での生活が一番長くなっています。
介護保険制度が始まってから、17年ほどケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事に就き、現在は障害児の放課後等デイサービスの非常勤の保育士です。途中、多少のブランクもありながら、子どもから高齢者、障がいのある方など、ずっと福祉の仕事に携わってきました。郷里から祖母を呼び寄せて、11年介護家族としての経験もあります。
2021年からは、認知症の人と家族の会佐賀県支部の代表も務めさせていただいております。私も今年高齢者の仲間入りです。読者の皆さま、1年間どうぞよろしくお願いします。
■高齢者の5人に1人が認知症
人生100年時代に、「認知症」は、誰もが避けては通れません。厚生労働省の推計によると、団塊の世代が75歳以上(後期高齢者)となる今年2025年は、認知症高齢者は約700万人(65歳以上の高齢者の5人に1人)と推計されています。
佐賀県においては、約4万7千人〜5万1千人となり、その数は小学生の数より多く、人口減少が続く日本において、認知症の人は、社会の多数派となっていきます。認知症は年齢とともに発症率が高まり、80〜84歳では22%、85〜89歳では44%、90歳以上では64%、今後も増加することが見込まれています。長生きすれば、誰がなってもおかしくないのです。
認知症の予防のためには、バランスの良い食事をとり、適度な運動をして、一人で閉じこもらず、手先や頭をよく使うことが推奨されています。しかしながら、常に健康に気を配り、社交的で多趣味で頭の良い人が、認知症にならないかと言えば、そんなことはありません。学校の先生だってお医者さんだって、スポーツマンだって音楽家だって芸術家だって、認知症になります。
「まさか自分が…」と思っているあなたがなるのです。
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急速な高齢化とともに、「いまや誰もがなり得る」認知症。政府は昨年、みんなが支え合う共生社会を目指して、認知症になっても希望を持って暮らし続ける「新しい認知症観」を打ち出しました。
自分や身近な人が認知症になった時、具体的にどうすればいいか。本連載では「認知症の人と家族の会佐賀県支部」の代表を務める小池美鈴さんに、加齢による物忘れとの違いや早期発見の目安などを紹介してもらいます。
こいけ・みすず 愛媛県松山市生まれ。京都の短大を卒業後、重症心身障害児施設勤務や介護支援専門員を経て、放課後等デイサービス非常勤保育士。「認知症の人と家族の会佐賀県支部」で2021年度〜24年度の代表を務める。