フジテレビ広告急減、報告書待たず人事改革 「透明性高い会社」も信頼回復は調査報告後に

元タレントの中居正広さんと女性とのトラブルに端を発した問題は、フジテレビとフジ・メディア・ホールディングス(FMH)の経営陣刷新に発展した。今月末に予定される第三者委員会の調査報告書を待たずに新たな役員人事を急いだ背景には、広告収入の急減がある。フジの清水賢治社長は「より透明性の高い会社経営を目指す」と述べた。

透明性を確保

日枝久取締役相談役を含め、両社の取締役はほぼ全員が退任。社外取締役を過半数とし、フジは取締役の数を半分以下に絞った。女性比率を引き上げ、平均年齢は引き下げた。清水氏は「多様性を重視し、非常にコンパクトな構成にした」と述べ、透明性の確保や迅速な意思決定が可能だと強調した。

今回の問題を巡っては、港浩一前社長が問題を把握した後も、社内のコンプライアンス担当部門に相談せず、限られた役員だけで対処を続けた。結果として女性に十分なケアができない状況を生んだ一方、中居さんの番組出演は継続させた。週刊誌報道後の1月17日に開いた記者会見は港氏の判断で出席者を限定、説明が不十分だとしてスポンサーが次々にCMを控える事態を招いた。

同月27日に再度開いた会見は10時間以上に及び、港氏はこうした判断についての反省を口にした。FMHの金光修社長も「問題が起きたときに報告を受けられなかった。これ自体、運用がうまくいっていないことであり反省している」と機能不全に言及していた。

「策は早い方が」

第三者委の調査報告書を待たずに発表した今回の役員人事について、金光氏はこの日の会見で「信頼回復のため経営体制の刷新は重要だ。今の状況を回復するための策は早い方がいい」と述べた。背景には広告収入の急減がある。FMHは令和7年3月期の連結決算の業績予想を下方修正、フジの広告収入が従来予想から233億円減少するとの見通しを示している。

清水氏は2月の会見で、放送収入が前年同月比で9割減ったことを明らかにしている。この日の会見でも、4月以降のスポンサー契約について「はっきりと見えていない」と厳しい現状を認めた。フジによると、3月25日時点のスポンサーは約100社。そのうち7割弱が4月以降の広告出稿について判断を保留しているという。

金光氏は人事改革について「将来の事業展開に向け、新たなFMHとフジテレビへの第一歩を踏み出したと思っている」と強調した。ただ、信頼回復は第三者委の報告書と、フジが検討中の「再生・改革プロジェクト」が視聴者やスポンサーにどのように受け止められるかにかかっている。(大森貴弘)

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