石破茂首相は8月15日の戦後80年の節目に合わせた首相談話の発出を見送る方針を固めた。一方で、首相は先の大戦を検証するために、有識者らによる会議体を設置して4月から意見聴取を開始する。その結果を踏まえ、歴史観や戦争に対する見解を記者会見などで表明する方向で調整している。
先の大戦に関する首相談話は、平成7年の戦後50年から10年ごとに過去3回、政府が閣議決定した上で公表してきた。首相はかねて戦争の検証に強い意欲を示しており、謝罪の側面を強調した戦後80年の談話を再び出したいのではないかとの見方が広がった。
ただ、自民党内では保守派を中心に、戦後70年の安倍晋三首相談話で戦後の「謝罪外交」に区切りがついているとして、新たな首相談話は「謝罪外交に逆戻りする」(自民中堅)と反発が強かった。参院選が迫り、支持率が低迷する政権に対して党内では「石破おろし」の雰囲気もくすぶる中で、首相は党内の火種を生むことは避ける方向に判断が傾いたとみられる。
首相は談話の発出を見送る一方で先の大戦の検証には着手し、4月にも有識者から意見聴取を始める。見解表明の日時や形式は、夏の参院選後に最終決定する見通しだ。