センバツ 横浜「1強」時代!‘98松坂以来の秋春連覇 公式戦20連勝

第97回選抜高校野球大会最終日(30日、甲子園)決勝が行われ、昨秋の明治神宮大会を制した横浜(神奈川)が、智弁和歌山を11−4で下し、2006年以来19年ぶり4度目となる春制覇を果たした。2年時の昨年5月から主将を務める阿部葉太外野手(3年)が4安打3打点2盗塁と走攻守でチームをけん引した。「横浜1強」を合言葉に負けない野球を追求し、新チーム結成後は公式戦無敗の20連勝。1997年秋の明治神宮大会、98年春の選抜を制した松坂大輔世代以来となる秋春連覇を達成した。

「横浜1強」という言葉にふさわしい揺るぎない強さを聖地で示した。九回2死満塁。選抜制覇を決める27個目のアウトを二直で奪うと、中堅を守る主将の横浜・阿部葉はグラブを外して、一塁側のアルプス席に向かって左拳を突き上げた。

「やり切れた。自分たちの代で、また横浜高校の名をとどろかせることができて、うれしい気持ちでいっぱいです」

試合前に村田監督から「お前が背中で引っ張れ」と託され、「3番・中堅」で出場した左打者が走攻守で躍動し、旗振り役となった。同点の三回1死二、三塁から左翼線へ勝ち越しの2点二塁打を放つと、3−1の六回には守備で魅せた。2死三塁で荒井の前方への飛球をダイビングキャッチし「1点取られたら流れが向こうに行くと思った。絶対取るという気持ちだった」と胸を張った。

直後の攻撃では先頭で左前打で出塁。「守備からリズムをつくるという意識でやってきた」と打者11人で7安打6得点の猛攻につなげた。4安打3打点2盗塁とけん引し「これが横浜の主将のあるべき姿」と言い切った。ドジャース・大谷を参考にした打撃フォームから、今大会出場5試合で打率・455(22打数10安打)、1本塁打、10打点、4盗塁と圧倒的な成績を残し、紫紺の優勝旗を手にした。

誰よりも負ける悔しさを知る男だ。1年生ながら中堅のレギュラーとして出場した2023年夏の神奈川大会決勝は慶応に九回に逆転されて敗戦。2年生で主将を担って臨んだ昨夏の決勝は東海大相模に八回に2点差をひっくり返された。いまの3年生の中で、先輩の無念を誰よりも近くで見てきた。愛知県出身の阿部葉は「甲子園で優勝するために横浜に来たのに甲子園にも出られない。恥ずかしい。何をしに来たのかな」と思い悩んだ。

悔しさを胸に新チームで目標を統一。「もう負けたくない」と〝横浜1強〟を合言葉に始動した。負けない野球をテーマにやり切ることを徹底。全員野球を掲げる中で一体感も大切にした。

「言葉を大切にしてほしい」という親の願いで、名前に「葉」の漢字が入る主将は今大会中、試合前に父・一彦さんを通して保護者にも力強い応援をお願いした。決勝前にもLINEで「スタッフ、選手、保護者、三位一体で監督を胴上げしよう」と呼びかけた。「智弁和歌山さんの大声援に負けないくらいの熱い声援を保護者はじめ、スタンドのメンバーが送ってくれた」。試合後に掲げた左拳には感謝の思いが込められていた。

1997年秋の明治神宮大会、98年春の選抜を制した松坂大輔世代以来の秋春連覇を達成。新チーム結成後、公式戦は無敗の20連勝となった。松坂世代は明治神宮大会、春夏の甲子園、国体の4冠。公式戦無敗の44連勝を成し遂げている。「まだゴールではない」と阿部葉。98年以来の春夏制覇へ向けて、最強世代を築く。(武田千怜)

◆甲子園の一塁側スタンドで観戦した元監督の横浜・渡辺元智氏 「村田監督は短期間で本当に成長したチームにした。見事な采配だった。先輩たちがやってきたものに加えて、自分の野球にも切り替えた。夏に向けて高みを目指していくのは監督としての宿命。選手を信頼して、どうやってまとめていくか。成長させていくか。楽しみにしています」

◆DeNA・筒香 「皆さんが日々努力してきた一つの結果だと思います。これからも支えてくださる皆さまへの感謝の気持ちを持ち続けてもらい、これからの野球人生がさらに素晴らしいものになることを心から祈っています」

◆日本ハム・万波 「尊敬とともに羨(うらや)ましいなと思いますし、甲子園の映像を見ていても本当に強いチームだなと思う。夏も頑張ってほしい」

◆ヤクルト・増田 「誇らしいです。僕らのときと全然違うレベルの高さの野球をしていたので、見ている方も勉強になった。そういう選手たちに少しでも刺激を与えられるような活躍ができたら」

★松坂からエール

横浜OBで日米通算170勝の松坂氏(元西武)は、米大リーグ取材でロサンゼルスに滞在中のため、ネット中継でチェック。「久しぶりの母校の優勝はOBとしても非常にうれしい」とコメントした。この日の決勝前には村田監督に「毎試合見ているよ。頑張れ」とメールで激励したという。

自身が達成した1998年以来となる秋春連覇を成し遂げたナインを「自信にしてほしい」とたたえ、「これからも連勝を続けてほしい。自分たちの代に並ぶだけではなく、ぜひ超えてほしい」とエールを送った。

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