中日・井上一樹監督(53)が、監督としての初勝利を挙げた29日、ドラフト1位新人・金丸夢斗投手(22、関大)の快投の報に喜んだ。
「夢斗の第1歩を踏んだ」
ナゴヤ球場で行われたウエスタン・リーグの広島戦で8回に3番手で登板して打者3人を中飛、空振り三振、中飛に抑えた。最速も150キロをマークし、今季の活躍に期待が高まる内容だった。大学4年時に腰を痛めた影響で2月の春季キャンプは2軍の読谷組からのスタートとなるなど投球練習を制限。実戦機会もなかった中、今回初めて試合で登板。一昨年には日本代表「侍ジャパン」にも選ばれた逸材だが、即戦力との期待がかかる過度のプレッシャーを避けて慎重に調整を行い、試合出場にこぎつけた。
ナゴヤ球場に2276人のファンが詰めかけ、金丸の〝実戦デビュー〟を見届けた。井上監督は「(試合序盤の様子を)インターネットで見ていたけど、結構お客さんが入っていたから、夢斗が投げるの知っていたのかな」と注目度の高さを改めて実感。そのドラ1左腕を1軍でもっと多くのファンの前にお披露目する可能性について、こう話した。
「夢斗には僕は十分、話をしている。『ここまでゆっくりやらせている意図をちゃんとお前はくめ』と。段階を踏んで、いつかはもちろん。遠くないと思うんで、1軍デビューは。見守っているスタッフからの報告を受けて、それからこちらで判断したい」
金丸の状態は常に気にかけてきた。2月12日には北谷から車で30分の場所にある読谷に出向いて視察。ブルペンの投球を高く評価した一方で「焦らせることで積み上げてきたものが崩れることのないように」と静観の構えを強調したが、同16日には「1軍の雰囲気を体験させてあげたかった」と一日限定で北谷に呼んで1軍キャンプの練習に参加させた。
ドラフト会議で4球団が競合した抽せんを自らの手で引き当てた黄金ルーキーの扱いは「厳しく、大事に」の方針だ。生まれ変わった井上竜の象徴となってくれればこれ以上ない形となるだけに、1軍デビューの〝カード〟を切るタイミングを慎重に見計らっている。(上阪正人)