(セ・リーグ、DeNA2−1中日、3回戦、DeNA2勝1敗、30日、横浜)プロ3年目のDeNA・松尾汐恩捕手(20)が30日、中日3回戦(横浜)で初本塁打をマーク。小学校時代に所属した京都・精華アトムズの恩師、杉本将紀監督(53)が秘話を明かした。
少年時代から、卓越した打撃技術は群を抜いていた。チームに残る、松尾の小学6年時の成績。断トツの打率・411、20本塁打。特筆すべきは、334打席でわずか6だった三振数。杉本氏は「しかも空振り三振は1つだけ。あとは少年野球あるあるで、ボール球が多すぎてワンバウンドも温情ストライクみたいな。動体視力がめちゃめちゃ良い」と明かした。
思い出に残る試合がある。ある大会の決勝戦。1番打者で出場した松尾が第1打席の投ゴロで走らなかった際、杉本氏は「普段は怒らないけど、そのときだけは1打席で交代して、ボールボーイとバット引きを一人でさせました。泣きながら一生懸命やっていた」。そこから全力疾走を怠ることはなかったという。
チームの活動は土日のみだが、杉本氏が自宅に手作りで設置した打撃練習用ケージに「しょっちゅう来て打っていた」と振り返る。「野球が大好きなんでしょうね。松尾君の家にもケージがあり、中学時代は僕が出張でトスを上げにいった」。小さい頃から積み上げた努力が下地を築いた。
「一番野球の勉強になる」という親心で、5年生から捕手で起用。無死二、三塁からスクイズを2連続で読み、2死走者なしにするなどセンスは抜群だった。人並み外れた才能と努力で、ドラフト1位で指名される選手へと成長。プロ入りの際には松尾は打撃マシンを精華アトムズに寄贈した。偉大な先輩の背中を追って、この日も練習に打ち込んだチームの子供たちが松尾のメモリアルな一発に目を輝かせた。(浜浦日向)