プロボクシングのIBF世界フライ級タイトルマッチ(29日、愛知県国際展示場)で同ライトフライ級王座と合わせ、日本男子初の世界2階級同時制覇を達成した矢吹正道(32)=LUSH緑=が激闘から2日後の31日、名古屋市内で会見。「(2階級制覇の)実感は特にわかないのですが、(相手は)すごく気持ちが強い選手で、倒れた後もパンチが来ていてびっくりした」と強敵を撃破した喜びをしみじみと語った。
矢吹は昨年10月に獲得した同ライトフライ級王座を保持したまま、18戦無敗の同フライ王者のアンヘル・アヤラ(24)=メキシコ=に挑戦。序盤から激しい打ち合いとなった闘いで、1回、2回とカウンターの強打でダウンを奪い、主導権を握ると、3回にバッティングで右目下を切ったが、ひるむことなく手を出し続け、12回に強烈な右から畳みかけ、1分54秒TKO勝ちした。
血で真っ赤に染まったトランクスが死闘を物語り、試合中は血や汗、ワセリンが目に入り、「ずっと曇ったメガネをはめている感じだった。いっぱいいっぱいだった」と安堵の息をついた。傷は試合後に会場で8針縫ったという。
今後については今週中にもライトフライ級王座を返上し、フライ級に転向する方針で、対戦したい相手として「みんなが知っている選手でかみ合うと思うし、おもしろい試合になる」とWBO同級王者のアンソニー・オラスクアガ(米国)の名前を挙げた。
だが、「(王座)統一戦をしようとは思わない」とも明言し、「落ちぶれたら終わり。感覚が鈍ったり、落ちてきたと思ったら潮時だと思っている」と引き際についても語った。
顔のけがもあり、次戦の時期などは未定で、当面は5月28日にIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦(横浜BUNTAI)に臨む弟で同級3位の力石政法(30)=大橋=のサポートや所属ジムの子供たちの指導に力を入れていくという。
勝てば、兄弟同時世界王者となる弟について「自分は同時というのは特に意識していない。ただ弟にも世界(王座)を取ってもらいたい。ずっと一緒に、いろんなことを犠牲にしてやってきたので、報われて欲しいという気持ちがすごくあります」とエールを送った。