フジ君臨42年、日枝帝国やっと終焉 31日第三者委報告書前に経営刷新 説明責任果たさず幕引きへ

 元タレントの中居正広氏(52)の女性トラブルに端を発したフジテレビの問題で、フジ・メディア・ホールディングス(HD)は27日、取締役会を開き、フジとフジHDの日枝久取締役相談役(87)が退任する役員人事を発表した。フジは同日付。フジHDは6月の株主総会で決定する。また、31日に第三者委員会の調査結果が公表され、フジも会見を開く方向で調整に入っていることが明らかになった。

 1983年から42年間取締役を務め、フジの中枢に君臨してきた日枝氏がついにその座から離れる。加えて、同社などから構成されるフジサンケイグループの代表を辞任したことも明らかになった。

 この日、フジHDの取締役会長に就任した金光修氏(70)と代表取締役社長に就任した清水賢治氏(64)が取材に対応。金光氏は「(日枝氏は)早い段階で経営の刷新に賛成しており“方向は任せる”と言っていましたので、私と清水が考えた」と人事に日枝氏の意向が関わっていないことを強調。フジサンケイグループについても「(1カ月以内に)本人から代表を辞任すると申し出があった」と説明した。

 日枝氏は先月、自宅で転倒し、腰椎を圧迫骨折したため入院中。この日の取締役会も欠席した。人事案については書面などでやりとりをしていたといい、日枝氏からの言葉について金光氏は「特にございません」と話すにとどめた。

 一連の問題を受け、1月27日にはフジの港浩一社長と嘉納修治会長(いずれも当時)が引責辞任。ただスポンサー離れは止まらず、CM出稿は約400社から72社へと激減。現在も100社ほどだといい、依然として影響力を持ち続ける日枝氏の辞任を求める声は日増しに大きくなっていた。フジ関係者は「第三者委員会の発表を前に人事を発表して刷新感をアピールする狙いもあったのでは。ただ、遅きに失した感がある」と話している。

 今後、日枝氏はほかのグループ会社の役職も随時離れていくとみられる。1月27日の会見では金光氏ら経営陣が10時間を超える会見を行ったが、日枝氏は欠席。一連の問題について公の場で話さず、説明責任を果たさないまま幕引きを図る格好だ。日枝氏の会見などの予定について金光氏は「それは我々が決めることじゃない」とした。

 会見ではフジHDとフジの新体制についても発表された。取締役数はフジHDが17人から11人、フジが22人から10人と大幅減。女性比率は両社ともに10%前後から30%台に、平均年齢はフジHDが71・2歳から61・6歳、フジが67・3歳から59・5歳と大きく若返る。金光氏は「新たなフジテレビの第一歩を踏み出した」と自信をのぞかせたものの、先行きはいまだ不透明のままだ。

 ≪第三者委報告後会見へ 質問時間制限する案も≫一連の問題を調査する第三者委員会は、31日にフジに報告書を提出する見通しだ。同委員会の調査結果が発表され次第、フジもその数時間後に会見を行う方向で準備を進めている。多くの報道陣が集まることが予想される会見となるだけに、フジ社員もさまざまな調整に頭を悩ませている。1月27日の会見では持論を延々と語り続ける記者も多く、その開催の在り方にも批判の声が上がっていた。ある社員は「前回のような会見にならないためにも時短する方法を考えなければいけない」と指摘。「そのためには質問時間の分数を制限したり、媒体ごとに記者の数の上限を設定する必要があるのでは」と話している。

 ≪経営陣に株主代表訴訟 230億円賠償求める≫フジHDの株主の男性=福岡市=が27日、東京都内で記者会見し、日枝氏ら現旧経営陣15人に対し、計約230億円の賠償を求める株主代表訴訟を東京地裁に起こしたと明らかにした。提訴は24日付。訴状によると、フジの港浩一前社長は遅くとも2023年7月にはトラブルを知っていたのに、他の経営陣や専門家に相談せず、中居氏が司会を務めた番組を休止しなかったと主張。「内部統制システムが不十分だった」などとし、取締役らに注意義務違反があったとしている。男性は会見で「問題を隠蔽(いんぺい)し、社員を守らない姿勢が表れている」とした。

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