女王・三菱重工浦和が異例の監督交代「今後どう進んでいくか考えた時に…」工藤SDが経緯説明

 WEリーグで2連覇中の三菱重工浦和は26日、楠瀬直木監督(60)との契約解除と、元トップチーム指揮官で強化担当の堀孝史氏(57)の新監督就任を発表した。23日に今季新設された女子アジア・チャンピオンズリーグ準々決勝で武漢江大(中国)にPK戦の末に敗退。3連覇を狙うリーグ戦は9勝4分け1敗で、消化が1試合少ない状況で首位INAC神戸に勝ち点5差の3位につける。今年1月には皇后杯を3大会ぶりに制した名門が、功労者である楠瀬監督をシーズン中に解任する異例の人事に踏み切った。

 背景には日本だけでなく、アジア、世界で戦うことを見据えたクラブのビジョンがある。この日、報道陣に取材対応した工藤輝央スポーツダイレクター(SD、45)は「我々が今、掲げているビジョンは28年の(第1回)女子クラブW杯、そこを一番近いターゲットにしている。今後どう進んでいくか考えた時に、今回の結論に至りました」と説明した。判断基準の一つに挙がるのが得点力の低下。昨季リーグ得点王のMF清家貴子は昨夏に海外移籍。エース不在で迎えた今季は、14試合で総得点21と伸び悩んだ。工藤SDは「いかにグループで得点を奪うかが課題になっていた。プレシーズン、中断期間の沖縄キャンプでも、それに取り組んでくださいという形でやってきた」と言う。だが、中断明けの4試合のうち2試合で無得点。武漢江大戦は主導権を握りながら引いた相手を崩せなかった。監督交代のタイミングについては「総合的な判断。この間(女子ACL)の敗退も一つ」とした。

 後任の堀監督には「攻撃のアイデアをたくさん持っている方なので、そこは期待している」と全幅の信頼を寄せる。浦和のトップチームや下部組織をはじめ、指導経験は豊富。女子の指導は初めてとなるが「優しい人柄で丁寧な方なので、向いてるとも思う」とし、「うちの育成でもたくさん実績を積まれている。もちろん残り試合の結果も大事になるけれど、選手個々の育成というところも踏まえて判断し、長くやっていただきたい」と今後のチームを託す方針を固めた。

 午前中に初指導を終えた堀監督も取材に応じ、「今までのものは必ず継承していく。ボールとスペースをしっかりと支配し、楽しんで、魅せて、勝てるように」と抱負を語った。浦和で現役時代を長く過ごし、途中就任した17年にクラブ2度目のACL制覇に導いた経験を持つ。「浦和にはいろんな経験をさせてもらい、育ててもらった。恩返しと言うと少し恩着せがましいけれど、何かできることもあるかな」。大一番となる30日の敵地INAC神戸戦から指揮を執る。

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