◇交流戦 巨人2−0楽天(2025年6月7日 東京D)
巨人・丸佳浩外野手(36)が7日、楽天戦の6回に代打出場し、勝利をたぐり寄せる今季1号ソロを放った。増田陸内野手(24)の先制ソロに続く2者連続弾で主導権を握り、今季最長だった連敗を5で止めた。3日に長嶋茂雄さんが亡くなってから、4試合目でようやく届けられた白星。同じ千葉県出身で18年のFA宣言時には直筆の手紙をもらい、4年前に直接指導も受けたベテランが、意地の一振りを見せた。
教え通りのスイングで捉えられた打球は、ミスターの視線の先に着弾した。1点を先制した直後、代打で出場した丸が藤平の149キロ直球を捉えた。「1つ勝てたし、僕も一本いい当たりが出たので、少しは良いご報告ができるんじゃないかな」。長嶋さんの写真でおなじみのセコムの広告看板と、永久欠番の背番号3が掲げられている右中間席へ飛び込んだ。
「しっかりおなかに力を入れて、体を回す」。常に気にかけてくれた長嶋さんの教えだ。「バッティングの意識として、今の僕の基礎」と言う。18年のFA宣言時には「一緒に野球ができたらうれしい」という直筆の手紙をもらった。移籍後、初めて不振での2軍落ちとなった4年前には、直々に指導を受け、魂を叩き込まれた。
21年6月6日。ジャイアンツ球場が騒然とした。前日に抹消され、2軍調整となった丸を見に、長嶋さんが電撃訪問した。同球場には当時4年ぶりの訪問で「丸と話がしたくて来ました」と言った。雨が降る中でも、グラウンドでのフリー打撃を横で見守り、室内練習場に場所を移しての特打でも助言。ベルト付近を左手でタッチされるなど、身ぶり手ぶりで構えの姿勢を説かれた。今季1号は、腹に力を込め、しっかりとした姿勢で体が回転していた。
日本中を悲しみが包んだ3日の訃報。功績を称える報道があふれる中で、テレビで自身が指導されていた映像を目にし「改めてあの時の記憶がよみがえった。しっかり教えていただいたことを継続してやっていく」と思いを強くした。「僕が初めてプロ野球を見に行った時のジャイアンツの監督。ご指導していただくこともあったけど、雲の上の存在です」。同じ千葉県出身の大先輩へ、感謝の思いを込めた一発だった。
苦しかった連敗は5で止まった。交流戦1勝目に阿部監督も「勝って良いところを見せようと言っていたので」とホッとした表情を見せた。やっと届けられた弔いの白星に「明日からの試合につなげられたら」と丸。秋に良い報告をするためには、熱い魂を受け継ぐ背番号8が不可欠だ。(小野寺 大)
≪巨人FA加入最多766安打≫丸(巨)が今季1号。これで巨人移籍後の通算安打は766本。FAで巨人に移籍した打者では村田修一(横浜→巨)の765本を抜いて最多になった。
長嶋さん、勝ちました――巨人・丸の追悼弾でようやく弔い1勝「少しは良いご報告ができるんじゃないかな」
スポニチアネックス 2025/06/08 05:30