今回のヒーローは、バレーボールVリーグ、リガーレ仙台の鈴木音(のん)選手(20)。身長171センチ、ポジションはアウトサイドヒッター。仙台市出身で仙台商業高校からリガーレ仙台に入団しました。
リガーレ仙台 鈴木音選手:
「あえて地元でこれからもやっていきたい。這い上がるじゃないですが強いチームに向かっていき倒してみたい」
鈴木選手の持ち味は群を抜く「跳躍力」。最高到達点はチームナンバー1の2メートル93センチです。
リガーレ仙台 鈴木音選手:
「相手がブロックが振られて一枚になった時に後ろからパッって出てきてカチこめたりすると気持ちいい〜!って思います。去年よりもバックアタックのテンポとかは上がったりしてるのかなっていう風に思うので、高さは残しつつ早く刺すようなトスに変わって。そこはすごい新しい挑戦でコンビとかも増えているので」
今シーズンはリーグ戦の全試合に出場。現在11チーム中2位と好調のチームをけん引しています。快進撃の立役者・鈴木選手の原動力、そして「地元」への思いに迫りました。
窮地の時に決められるエースに世界最高峰を目指す「SVリーグ」が2024年に開幕したことに伴い、再編されたVリーグ。国内2部の位置づけになりました。リガーレ仙台は序盤から勝率を上げ、シーズン後半の現在もリーグ2位と好位置をキープしています。その中で鈴木選手は「次世代のエース」として大きな期待を受けています。
リガーレ仙台 田中千代美監督リガーレ仙台 田中千代美監督:
「彼女の良さは高さがあるということなので、そこを意識して高く飛ぶようにとか。後は経験を積んでこういう窮地の時に打てるようなエースになれるように。経験ですね」
ピンチの場面でスパイクを決められるエースへ。早いトスにも対応するなど成長を続ける鈴木選手。その要因をこう話します。
TBCリガーレ仙台 鈴木音選手:
「緊張してひとりで居てしまうと、どんどん考えてしまうので出来るだけ先輩とかと話す会話をするってのはすごく心がけています。私自身このリガーレが強いときって全員が楽しんでて試合の中でも新しいことに挑戦してみたり、やりたいことをやろうっていうマインドで居られるときがリガーレ仙台が強いときだなっていう風に思うので、そこが要因かなっていう風には思います」
3人兄弟の末っ子として育った鈴木選手。姉の影響でバレーボールを始めたのは小学校3年生のときでした。成長とともにその才能は開花。宮城県外の高校からも入学オファーを受けましたが、地元の高校を選択しました。そして高校卒業後、2022年にリガーレ仙台に入団します。
TBCリガーレ仙台 鈴木音選手(入団時):
「バレーボールを楽しむ気持ちを忘れず自分に厳しく向上心をもって頑張ります」
彼女が「地元」にこだわる理由。それは、生まれ故郷と周囲の人々に対する、強い感謝の思いがあります。
TBCリガーレ仙台 鈴木音選手:
「気づいたらこの道に来てたみたいなところあるんですけど。もちろん上のところでやるっていうこともすごく成長になると思いますし、大事なことだと思うんですけど。ほんとに身近に支えてくれる方たちが沢山いるので、そういった方々に恩返ししたいなっていう気持ちはすごいあったので。あえて地元でこれからもやっていきたいなって思ってリガーレ仙台に入りました」
競技だけに専念するプロのアスリートとは違い、リガーレの選手のほとんどは、働きながらバレーボールを続けています。鈴木選手ら3人は、仙台市内にあるコールセンター事業を手掛ける企業に勤務しています。多忙な日々を送りながらも、恵まれた環境だと話します。
リガーレ仙台 キャプテン加藤彩夏選手:
「(職場の人からも)とにかくバレーをまず第一優先で頑張ってと言ってくれてるので上手く両立できてるかなとは思います」
仕事に練習、そして試合。多忙な日々を送る中で大切なのが「食事」です。鈴木選手、職場にはお弁当を持参しています。この日はチューリップの形に切ったウインナーも入っていました。鈴木選手のリクエストで母・絵美さんが気合を入れて作ってくれたそうです。
TBCほぼ毎日、鈴木さんの昼のお弁当を手作りしているという母親の絵美さん。娘の決断を応援しサポートを続けてきました。親子のコンビネーションもバッチリです。
TBCリガーレ仙台 鈴木音選手:
「ほんとに小さい頃から自分がやりたいと思ったものをやりなさいっていう感じでしたし、進路も『私は何も言わないから音が行きたいところに行きなさい』と。ご飯を作ってくれたりとか応援に来てくれたりとかしてるので、私がほんとにやりきったっていう風に最後に言えるのが一番恩返しかなって思います」
2025年最初のホームゲーム。チームメートと声を掛け合い気持ちを高めます。
鈴木選手、試合前によく聞く曲があるそうです。
リガーレ仙台 鈴木音選手:
「よく聞くのはDISH//さんの『僕らが強く。』っていう歌なんですけど」
いざコートへ。母・絵美さんも応援席から全力でエールを送ります。リーグ3位・信州との上位直接対決は、リガーレが先に試合の流れをつかみます。しかし相手チームも粘りをみせ、この日の試合は力が拮抗。ひとつのプレーが勝敗を分ける緊迫した展開に、鈴木選手にも思わぬミスが出てしまいます。
ホームで勝ち星をあげられるか仲間と共に気持ちを立て直した鈴木選手。ここから持ち味を発揮し次々とスパイクを決めます。粘りのバレーでフルセットまで持ち込み、鈴木選手は最後までコートに立ち続けました。しかし…惜しくも力及ばず、2025年最初のホームゲームは黒星となりました。
TBC思わず天を仰いだ鈴木選手。家族や地元の声援に応えられなかったくやしさ、足りないものは、まだまだあります。
リガーレ仙台 鈴木音選手:
「(接戦に)勝ち切れたことが無いので、最後の詰めが甘いというか接戦になってフルセットになった時に取りきれないところが自分の弱さかなと思う」
感謝の気持ちを伝えるため、彼女はこれからもコートに立ち続けます。
TBCリガーレ仙台 鈴木音選手:
「今自分がやりたいと思ってきたこの道、バレーボールの道で全力で向き合ってるっていうのはすごく幸せなことですし、本当に恵まれた環境でバレーボールができてるのでこの道が正解だったかどうかはまだ分からないですけど正解だったって思えるようにこれからも全力でやっていきたいなっていう風に思います」