混戦必至な春の盾は一昨年の覇者ジャスティンパレスの復活走に期待! 次位争いで浮上する意外な“穴馬”は?【天皇賞(春)】

 5月4日、チャンピオンステイヤー決定戦の天皇賞・春(GⅠ、京都・芝3200m)が行なわれる。昨年の覇者テーオーロイヤル(牡7歳/栗東・岡田稲男厩舎)が足元の不安で春シーズンを全休。また、昨年の菊花賞馬アーバンシック(牡4歳/美浦・武井亮厩舎)は次走を宝塚記念(GⅠ)とする旨が明かされ、出走していれば人気を背負ったであろう2頭が不在となった。

 それゆえ、エントリーした15頭のなかでGⅠホースは、昨年の宝塚記念を制したブローザホーン(牡6歳/栗東・吉岡辰弥厩舎)と、一昨年の本レース覇者であるジャスティンパレス(牡6歳/栗東・杉山晴紀厩舎)の2頭のみ。しかもフルゲート割れの15頭立てで、そのなかには2勝クラスを勝ち上がったばかりの条件馬まで含まれており、メンバー構成がかなり薄くなった印象は免れない。また同時に、レース自体が混戦の色を濃く宿しているのも確かだ。

 そうした状況のなか、人気はダイヤモンドステークス(GⅢ、東京・芝3400m)で2着に4馬身差を付ける圧勝を飾ったヘデントール(牡4歳/美浦・木村哲也厩舎)と、阪神大賞典(GⅡ、阪神・芝3000m)を6馬身差で制したサンライズアース(牡4歳/栗東・石坂公一厩舎)の2頭が集めそうだ。
  しかし、この2頭が強い勝ち方を見せたプレップレースは、いささかそのレベルに疑問符が付く。まずダイヤモンドステークスは、勝ちタイム3分32秒2は近10年で8番目と凡庸で、2着のジャンカズマ(牡7歳/美浦・西田雄一郎厩舎)は一昨年のオープン特別を勝ったのが目立つぐらい。ダイヤモンドステークスの勝利はヘデントールがかなりメンバーに恵まれたと見るべきで、昨年の菊花賞(GⅠ)で2着した実績は認めつつも、主軸とするのは見立てが高すぎるように思える。

 次に阪神大賞典は、前半の1000m通過ラップが63秒1というスローペースで展開した末の行った行ったで決着しており、直線だけで2着を6馬身も千切った瞬発力に見るべきものはあったが、サンライズアースも過剰な高評価を受けているのではないか、との疑問が残る。

 さらに、青森産馬として注目を集めるハヤテノフクノスケ(牡4歳/栗東・中村直也厩舎)だが、2着に大きな差を付けて勝った近2走はいずれも条件戦。阪神競馬場リニューアルオープン記念(3勝クラス、阪神・芝3000m)の走破タイム3分2秒9は優秀ではあるが、このときの負担重量は56㎏で、天皇賞の58㎏よりも2㎏軽い。ゆえに、買い被りは禁物だろう。 そこで今回の主軸には、過去実績を素直に評価してジャスティンパレスとしたい。一昨年の天皇賞(春)以来、勝ち鞍から長く遠ざかっているが、常に古馬の一線級を相手に好走を続けてきた能力と安定感は一枚上で、10着に大敗した昨年の宝塚記念(GⅠ)は重馬場が堪えたもの。今季初戦の大阪杯(GⅠ)は適距離より短い2000mを承知で使ったもので、天皇賞を目標としたひと叩きと理解すべきだろう。

 記者会見で杉山調教師は、「距離やコースは実績が出ていますし、そこから2年たっていますが、もう一度やれるのではないかと思っています。勢いという意味では当時の方があるのかもしれないですが、そこから本当に強いメンバーと戦ってきていますし、力が落ちているという印象は持ってはいないです」と語り、復活走に期待を寄せる。底力を信頼して、本馬を主軸としたい。ちなみに隔年で本レースを制したのは1993、95年のライスシャワーのみである。
  対抗格には穴っぽい一頭でビザンチンドリーム(牡4歳/栗東・坂口智康厩舎)を取り上げたい。昨年は、デビュー2戦目となるきさらぎ賞(GⅢ、芝1800m)を後方一気の競馬で、のちの東京新聞杯(GⅢ)勝ち馬であるウォーターリヒトをハナ差抑えて優勝した。その後、春のクラシックでは苦戦を続けたが、菊花賞では勝ち馬から0秒5差の5着に健闘。今年はアメリカJCC(GⅡ)を6着としたあと、サウジアラビアに遠征してレッドシーターフ(GⅡ、キングアブロゥルアジーズ・芝3000m)を制して重賞2勝目を挙げた。

 坂口調教師は記者会見で、「デビュー前から心肺機能が高く、長い距離はいいのではないかと思っていました。海外にちょうどいい番組があったので行くことになりましたが、遠征がこの馬をさらに強くするようなところはあると思います」と、海外遠征がダメージよりもタフさをもたらしたことをコメント。1週前追い切りはまだ動きが重苦しかったが、最終追い切りは軽めながら力強さが加わり、遠征の反動は感じられない。中型で無駄肉がない馬体はステイヤーらしく、その晩成の血が開花することを期待して2番手に推す。

 以下、3番手はヘデントールとし、4番手以下は順不同でサンライズアース、ショウナンラプンタ(牡4歳/栗東・高野友和厩舎)、ハヤテノフクノスケ、ブローザホーンまでを押さえとしたい。

文●三好達彦

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