ME:I・MOMONA / ※2025年ザテレビジョン撮影
ディズニーの実写映画最新作「リロ&スティッチ」が6月6日に日本でも公開が始まった。同作で主人公・リロの姉・ナニ役の日本版声優を務めるのが、初の声優挑戦となるME:IのMOMONAだ。2024年4月にデビューした11人組ガールズグループのリーダーにして、すでに10年以上ステージで躍動してきた彼女が、声でも新たな魅力を開拓している。
■初声優挑戦で主人公の姉役に抜てき
日本では2003年に公開されたアニメーション版「リロ&スティッチ」(ディズニープラスで配信中)から20年あまり、実写版として帰ってきた今作は、ハワイを舞台に両親を亡くした少女・リロとナニの姉妹、そして愛を知らない暴れん坊のエイリアン・スティッチらの出会いと“オハナ(=家族)”の大切な絆を描くハートフルファンタジー。日本版声優はスティッチ役を引き続き山寺宏一が務め、リロ役に永尾柚乃、リロと二人暮らしをするナニ役にMOMONAが抜てきされた。
MOMONAにとってはこれが声優初挑戦なのだが、むしろ「今までなかったの?」と意外な印象すら受ける。まだ21歳にして、それだけ濃密なアーティストとしての実績を持っている。
ME:Iが誕生する前、MOMONAは本名の「笠原桃奈」名義でハロー!プロジェクトのアンジュルムに在籍していた。2015年4月にハロプロ研修生として11歳でお披露目されると、およそ1年3カ月後の2016年7月にアンジュルムの5期メンバーに加入した。まだ12歳の中学1年生ということで、あどけなさが残っていたが、加入後初のシングル曲「愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間」では、いきなり重要な歌い出しのソロパートを任されるほど、すでにスキルは万全だった。
ハロプロの例に漏れず、アンジュルムもロック、バラード、ファンクなど多彩なジャンルの楽曲を歌っていき、ロックフェスにも精力的に出演していく。アンジュルムが先輩後輩の垣根にとらわれない、超個性派集団だったこともこの頃のMOMONAの個性を伸ばしてくれていた。特に加入時期が近かった上國料萌衣や川村文乃とは仲が良く「ゆめ組」の愛称でファンにも愛された。
2020年にはオムニバス式のホラードラマ「ほぼ日の怪談。」内の「高笑いする女」で主演し、シリアスな演技も見せた。
当時のアンジュルムの雰囲気は、MOMONAの卒業直前に公開されたYouTube動画「笠原ヒストリー&事件簿大発表!!」でもうかがえる。加入からの珍エピソードを包み隠さず振り返っていき、先輩の竹内や上國料のあっけらかんとした語り口も楽しい。MOMONAの天真らんまんさや大らかさもこの時期に培われたことが分かる。
■アンジュルムを卒業…新たな夢へ挑戦
そんな彼女だが、まだまだこれからという18歳でアンジュルムから巣立った。「夢を実現するために、海外に身を置き、あらためて歌やダンスを学びます」と語り、2021年11月の卒業コンサートでは黒のスーツで格好良くファンへの感謝を伝えて一度表舞台から退いた。
それから約2年、2023年に行われた“日プ女子”ことオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」でMOMONAはファンの前に戻ってきた。番組初回から歌・ダンスで高い実力を見せ、最高レベルクラスのAクラスメンバーになるや、同じクラスになった練習生を励ます頼もしいところものぞかせる。
課題曲もYOASOBI「アイドル」、Perfume「TOKYO GIRL」、BLACKPINK「Shut Down」と、テクノからラップまで幅広いジャンルでスキルが試される曲が続いたが、とりわけ「Shut Down」では柔軟な身体能力と、安定感あるボーカルからラップを響かせた。中間投票では常にデビュー圏内をキープし、2023年12月16日の最終投票で1位を獲得、ME:Iとしてデビューがかなった。
ME:I・MOMONA / ※2025年ザテレビジョン撮影
■気遣いを欠かさないリーダー…COCOROとの絆も
「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」で“天下無敵のチャレンジャー”をキャッチフレーズにしたように、MOMONAは一貫して一つ上を目指す向上心を持っているのだが、リーダーということもあって仲間意識が強く、ME:Iのどのメンバーへも気遣いを欠かさない。
特にYOU:ME(ME:Iのファンネーム)を泣かせたのがメンバーのCOCORO(加藤心)との絆だ。最初のクラス分け審査でMOMONAとCOCOROでYOASOBIの「アイドル」をパフォーマンスし、rebloomのユニット名がついたため、2人一緒のデビューを願う国民プロデューサー(視聴者)が増えていく。そして最終順位発表で先に1位が発表されたMOMONAに対し、最後に11位でCOCOROの名前が呼ばれ、こみ上げた気持ちをこらえるMOMONAの表情がアップになった瞬間が2人の絆を象徴していた。
ME:Iの仲の良さはグループのYouTubeチャンネルでも見られるが、その中にメンバー同士が手紙を交換して思いをつづる動画がある。MOMONAは、COCOROにオーディション以来切磋琢磨してきた日々を振り返りつつ、「きっとどんな世界でも光や希望を見いだすことはできるし、私たち次第です。自分の魔法を大切に。これからもヨロシクっす!」と伝えた。さらっとマンガの主人公のような頼もしい一言が言えるのもMOMONAらしい。
一度アイドルを卒業したときに公言した通り次の夢に挑み、新しいグループを率いて“有言実行”を地で行くからこそ、ファンもMOMONAの挑戦を応援したくなる。
■リロを優しく見守るナニ役もハマり役に
バディがいるからこそMOMONAはより多彩な表情を見せるし、一緒に上を目指していける。その点では、リロの親代わりを務め、奔放なリロと突然やってきた暴れん坊スティッチに翻弄(ほんろう)されつつも、いつも妹思いなナニもハマり役といえるだろう。
「リロ&スティッチ」吹き替えでのMOMONAのナニのボイスは、とにかく感情に素直だ。落ち着いているときは大人っぽく、永尾のリロとのにぎやかなシーンになると実の姉妹のように、喜怒哀楽を出しつつも妹への優しさがにじむ声色になる。
永尾との掛け合いも楽しんで演じていることが伝わってくるし、2人を支えようとする近所の住人や社会福祉局の職員とのシーンでは、落ち着いたトーンに戻って妹への責任感をにじませた。
ナニにとってのリロやスティッチ同様、ME:IのメンバーやYOU:MEもMOMONAにとっては愛すべき“オハナ”。6月3日に行われた“号泣上映会”でのメンバーのサプライズ登壇の際も互いにラブコールを送り合っていたが、共に支え合っているからこそ、MOMONAはアーティストとしてこれからも一層輝きと魅力を放っていく。
◆文=大宮高史
MOMONAの前にサプライズで登場したME:Iの8人 / ※2025年ザテレビジョン撮影
“最旬アイドル”ME:I・MOMONA、成長し続ける“天下無敵のチャレンジャー”の仲間思いな素顔 初声優挑戦「リロ&スティッチ」ではナニを快演
WEBザテレビジョン 2025/06/08 07:10